不登校に悩む子供にとって「なんとか学校に行って欲しい」「高校は卒業してほしい」という親の期待は、時に子ども自身を深く追い込むことがあります。
そんな親としての想いや葛藤、子供の気持ちや将来を考えた時知っておきたいのが、「今の高校に通い続ける」や「高校を辞める」という選択ではなく、通信制高校という新しい選択肢です。
この記事では、不登校に悩む子を持つ親として知っておきたい「通信制高校」という選択について、なぜ不登校に悩む子にとって手助けになるのか?ぜ選ばれているのか?を詳しく紹介していきます。
この記事の目次
通信制高校には不登校という言葉がない
通信制高校には不登校という概念がありません。不登校の定義は「病気や経済的理由以外の理由で年間30日以上の欠席」とされ、登校日数を選べ、毎日通学する必要がない通信制高校では、不登校という概念が存在しないのです(詳しくは後述します)。
この「自分はもう不登校ではない」という事実と、「毎日登校する必要がない」というプレッシャーからの解放が、不登校に悩む子供たちにとって、心の回復と高卒までの歩みを同時に進められる環境づくりに繋がります。
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不登校の選択肢として通信制高校が選ばれる3つの理由
不登校の選択肢として、なぜ通信制高校が選ばれているのでしょうか?ここからは不登校に悩む生徒に選ばれる3つの理由を紹介していきます。
① 学校側の受け入れ体制が充実している
通信制高校には、働きながら通う方や中学時代から不登校に悩んでいる方など、様々な背景を持つ人が学べる環境が整えられています。 そのため、不登校児童の受け入れに力を入れている学校も多くあり、中には専門のカウンセラーが常駐していたり、不登校の専門相談窓口を設けていたりする学校もあります。
またサポートする先生も、多様な生徒に対応するため少人数の担任制や、1対1での個別指導の実施、中には「学習を通して、自信を取り戻してもらう」ために、自宅訪問など学校以外の場所で生徒指導を行ってくれるなど、手厚い支援で精神面や学習面の両方で支えとなってくれます。
② 登校日数や学習方法を選べる
通信制高校は登校日数が少なく「自学自習」が基本です。
このため全日制の様に毎日学校に通う必要がなく、週に1日や年間で20日程度など、自分に合った登校頻度を選択できます。
また現在盛り上がっているeスポーツ専門のコースや、美容専門コース、大学進学に力を入れているコースなど、生徒自ら学んでみたいと感じられる学科の豊富さも魅力の一つです。
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③ 同じ悩みを抱えている生徒がいる
通信制高校に通う生徒の中には、学校に馴染めなかったり、いじめで悩んでいたり、今のあなたの子どもと同じ気持ちで、悩みや葛藤を抱えて通う生徒がたくさんいます。 そのため全日制の学校より、生徒同士がお互いの境遇に親近感を感じやすく、馴染みやすいといった特徴があります。
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不登校に悩んだとき知っておきたい相談窓口
不登校で悩んだとき、親だからといって一人で抱え込まずに、誰かに話を聞いてもらうこと、手を差し伸べてもらうことも大切です。
文部科学省などの国や各県の教育委員会、不登校相談センターなど、不登校に悩む生徒や保護者の相談を受け付けているところは多く存在します。 24時間体制で対応している相談窓口もあるため、抱え込む前にぜひ活用してみてください。
いじめ・不登校の公的相談窓口
対応自治体 | 受付窓口 | 電話番号 | 相談時間 |
---|---|---|---|
一般社団法人 日本いのちの電話連盟 |
日本いのちの電話 | 0570-783-556 | 10時〜22時 |
文部科学省 | 24時間子供SOSダイヤル | 0570-078-310 | 24時間 |
警視庁 | ヤング・テレホン・コーナー | 03-3580-4970 | 24時間 |
法務省 | 子どもの人権110番 | 0120-007-110 | 平日8時30分〜 17時15分 |
NPO | チャイルドライン | 0120-99-7777 | 16時~21時 |
不登校児童の受け入れが活発な、通信制高校相談窓口
通信制高校名 | 所在地 | 電話番号 |
---|---|---|
勇志国際高等学校 | 熊本・千葉・福岡に4箇所学習センターあり | 0120-5931-35 |
中央高等学院 | 吉祥寺・池袋・原宿・横浜・千葉・埼玉・名古屋 | 0422-22-7787 |
第一学院高等学校 | 全国32校あり | 0120-761-080 |
トライ式高等学院 | 全国47都道府県 | 0120-919-439 |
不登校に悩む子を持つ親ができることとは?
子どもが不登校で悩んでいる時、「学校に行かなくてはいけない」「高校は卒業しなくてはいけない」という固定観念から、まずあなた自身が少し離れてみると、違った景色が見えてくるかもしれません。
昔と違い、全日制の高校に通い大学に進学して就職する、という価値観は少しずつ変化しています。通信制高校に通う生徒は年々増え、現在約20万人の生徒がそれぞれの目的で、あえて通信制高校の門戸を叩いています。
きっとあなたの願いは、子どもたちの将来が明るく照らされることではないでしょうか?だからこそ、今通っている高校は辛かったらやめていい。今の自分のペースに合った通信制高校という選択もある。そんな風に選択肢の幅を広げて、新しい道や可能性を照らしてあげることが、親として子供たちを暗闇から助け出す一助となるでしょう。
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この記事を書いたのは
通信制高校ナビ編集部
「一人ひとりに最適な学校探し」をテーマに、さまざまな進路選択を考える生徒さん、親御さんに向けて、よりたくさんの選択肢を提供できるよう、通信制高校、サポート校に関連する情報を発信しています。