通信制高校を調べていると、ときどき目にするのが「通信制サポート校」。名前は似ていますが、通信制高校とサポート校は全く別のもの。
ここでは、通信制サポート校とはなんなのか、どういう人が利用すればいいのかなどを紹介していきます。
注意! サポート校だけでは「高校卒業資格」は得られない
サポート校は、勉強やそれ以外の相談にも乗ってくれるいわば塾のような存在で、”高校”とは異なります。
学校教育法で定められた法的な「学校」としての認可を受けていないので、サポート校だけでは高卒の資格(学歴)取得はできません。
つまり、高卒の資格を取得するためには、必ず通信制高校への同時入学が必要となります。
なんのために通信制サポート校を利用するの?
通信制高校を卒業するには、レポート(課題の添削)、スクーリング(面接指導)、テスト(試験)を通じて単位を取得しなければなりません。
しかし通信制高校では、勉強は独学で行わなければならないため、途中で挫折してしまうケースや卒業までに5年以上かかってしまうようなケースが目立つのが現実です。そうならずに3年間で卒業できるよう、学習面、生活面、精神面でサポートすることがサポート校の目的です。
なお、サポート校内でもコースが分かれている場合がありますが、基本的には通信制高校と同時入学することによって高校卒業資格を取得するコースがメイン。ほかには、高卒認定の受験を目指すコース、専攻のみの習得コースなどの形態があります。
学校でないなら、サポート校は誰が運営しているの?
サポート校の運営は、おもに学習塾や予備校・専門学校などの教育関連の学校です。
そのため、各運営元の特色を活かした内容となっていることが多いです。
例えば、進学塾の運営するサポート校では難関大学への特別コースや、教師が自宅へ教えに行くコース、専門学校であれば美容や健康に関する専門的な内容を学ぶコースがあるなど、サポート校ごとにその内容はバラエティ豊かです。
サポート校を利用するメリット
全国に約200校以上あると言われているサポート校ですが、利用するメリットは一体なにがあるのでしょうか。
メリット①生徒一人ひとりへの細やかな対応がある
サポート校では、少人数制・担任制などを採用しているところが多く、学習のフォローが行き届いています。
個人の勉強の進度に合わせて、細かく対応してもらう事ができるので、3年間での通信制高校卒業が目指しやすくなります。
メリット②不登校やいじめ経験者への手厚いサポート
不登校などを経験してきた生徒が通いやすい環境を整えているところが多く、週1日の登校からスタートし徐々に登校のペースをアップしたり、教師が自宅へ行き授業を行うスタイルから徐々に登校するペースを増やしたり、ということも可能です。
またいじめ防止策として、休み時間も教師がクラスに居る、クラス分けなどに配慮しているサポート校は多数あります。カウンセラーが常駐している学校も多いため、子供だけでなく親も相談に乗ってもらうことができます。
メリット③自由な学校生活が送れる
最低限のルールを守ることは必要ですが、一般的な全日制高校よりも校則や服装などは自由度が大きい学校多くなっています。制服は着たくなければ着なくてもOK、髪の色なども厳しく言われることがないことがほとんどなので、アルバイトやその他の活動に支障がない程度に、身なりも自由に楽しむことが出来ます。
ただし、看護や料理などの専門的な勉強を行う場合は、身だしなみを整える必要があります。
メリット④個人の興味や関心に合わせた勉強が可能
芸能やスポーツ・アートなど、普通の高等学校だけでは習得できない知識や技術を学ぶことも出来ます。
午前中は通信制高校の授業、午後からは選択授業といったカリキュラムや曜日毎に専門分野の授業を取り入れるなど学校によってさまざまなカリキュラムがあるので、興味を持ったことにはすぐにチャレンジできる体制が整っています。
やりたいことがわからない、資格取得って大変そう…という生徒でも、体験を通して将来の目標を考えるきっかけを得ることができるでしょう。
サポート校の費用
サポート校の費用は、通信制高校の費用とは別に必要になります。
登校の頻度によっても費用が変わってきますが、平均すると以下程度の学費が必要となります。
- 登校ペース:週1回の場合 初年度:約300,000円(入学金込み)
- 登校ペース:週3回の場合 初年度:約550,000円(入学金込み)
- 登校ペース:週5回の場合 初年度:約800,000円(入学金込み)
ただし、専門的な授業や体験が多いサポート校の場合は、更に学費がかかる場合があります。
この記事を書いたのは
通信制高校ナビ編集部
「一人ひとりに最適な学校探し」をテーマに、さまざまな進路選択を考える生徒さん、親御さんに向けて、よりたくさんの選択肢を提供できるよう、通信制高校、サポート校に関連する情報を発信しています。