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【中学生・高校生のあなた】 学校に行きたくないと思ったらまず読んで
「学校、行きたくないな…」
そんな風に思うことって、間違いでしょうか。みんなそう思いながらも行っているんだから、自分だけ行かないのはダメでしょうか。甘い考えだと感じるかもしれません。
- 学校に行かないのは負けてしまうようで嫌だ
- 今後どうなってしまうのか不安
- 進学・就職ができないのでは
- 友達に変なやつだと思われないか心配
色々なことが頭をよぎるかもしれません。でも「学校に行かないこと」は、けして悪いことでもダメなことでもありません。
特に、学校に行くと辛い、嫌なことをされる、憂鬱だ。そんな風に思うのなら、学校に行くことではなく、まず自分の心と身体を守ることを最優先にしてください。
何よりも「自分」を守っていい
18歳未満の自殺者数は、平均すると1日約50人。しかし、夏休み明けの9月1日には、1日131人と平均の2.6倍に増加します。
「当たり前に学校に行かなくていい夏休み」が終わる。それが絶望となり、学校に行きたくない子たちは自ら死を選んでしまうのかもしれません。いえ、これ以外の選択肢が考えられなくなってしまったのかもしれません。
だけど、死を選ぶくらいなら、学校になんて行かなくてもいいと多くの人は言うでしょう。命より学校に行くことが大事だなんておかしいからです。
「学校に行かなくていい」なんて、簡単に言ってくれるなと思われるかもしれません。確かに私たちには、学校に行かなくなったあとの生活や人生を保証してあげることはできません。でも、死んでしまったら生活も人生も、その先にないことはたしか。勉強、友達、将来も、色んなことはやり直しが効くけれど、それはやっぱり生きていないとできないことです。
まずは体と心の不調に向き合う
心が疲れていたり、思いつめていたりする場合には身体にも不調のサインが出ることが多いです。例えば頭痛や腹痛。身体が重くて起き上がれないなんてこともあります。
そんなときは、頑張って我慢をやめてください。そして、我慢をしなくてすむ場所で身体を休めてください。それは保健室でもいいし、自宅でもいい。カフェでも、公園でも、図書館でもいいと思います。
体調不良が連日続くということであれば、学校を休んで自宅でゆっくり過ごしましょう。風邪を引いたら学校を休むのは当たり前のことですよね。だから、心の疲れによる体調不良でも罪悪感を抱かずにまずは休んでみましょう。
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休み時間がなければ作っていい
もちろん、「死にたいほどじゃないし、身体は健康だけど学校に行きたくない」という人もいるでしょう。そういう時は、「有給」を使うつもりでたまに休んでみるのも、1つの選択肢です。
大人だって、有給を使って旅行に行ったり、お酒を飲んだり、1日中部屋でゲームをしてリフレッシュしながら、なんとかストレスを発散して毎日を過ごしている人がほとんどなのに、学生だけそれが許されないのは辛いですよね。
休むことができない、という人は、時には早退したり午後から行ってみたり、週に1回は勉強を休んで好きなことをして過ごすとか、とにかく自分の時間を確保してみるのはいかがでしょうか。
「こんなことで休むなんてダメなんじゃ…」と思う人もいるでしょう。
今この記事を読んでくれているあなたが、どんな悩みを抱えているのかは分かりません。
友達と気まずくなってしまったのかもしれないし、頑張ることに疲れてしまったのかもしれない。誰かに嫌がらせを受けているのかもしれません。
「こんなことで落ち込むなんて」と思うかもしれませんが、でもどうか自分の中の辛い気持ちを否定しないであげて下さい。
傷ついたり、苦しんだりしている友達に「そんなことで落ち込むなんて弱すぎる!」とは言わないですよね? 自分にも、大切な人にかけるように言葉をかけてあげて下さいね。
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学校はなんのために行くの?
ところで、学校は一体なんのために行くのでしょうか。
学校では、読み書きや計算、歴史などの知識を身につけるほかに、集団生活の中で人との付き合い方や、自分とは考えの違う人と触れあう機会が豊富にあります。
ただし、これらは学校でなくても身につけることができるはず。勉強は塾やインターネットでも学ぶことができるし、人間関係もバイトや習い事で触れ合うことができます。
ただ、昔と比べれば学歴の偏重傾向は少なくなりましたが、まだ大手企業では「大卒」が入社条件となっている場合が少なくありません。中小企業でも「高卒」が条件となっていることは多いのです。つまり学歴は働く選択肢を広めてくれる手段と言えるでしょう。
もちろん、手に職をつけて、実力で勝負するという方法もあります。YouTuberや起業家など、新しい働き方もどんどん生まれていますよね。しかし、資格を取るにも、高卒以上でなければ取れない資格、専門学校・専門大学へ入学しないと取れない資格もあるため、やはり学歴はあって損することはないでしょう。
そして、知識や人との付き合い方、学歴。これらは全てあなたが社会で生きていく時に力となってくれるものです。学校では、これらを一気に得ることができますから、効率的ではあるでしょう。だけど、それは自分に合わない学校でも我慢して行かなくては得られないものではない、ということを覚えておいて欲しいと思います。
自分の気持ちを整理する
しっかり休んで気持ちや身体に余裕が出てきたら、自分の気持ちに向き合う作業を少しずつはじめてみても良いでしょう。
学校に行っていないことで、無意識に自分のことを責めてしまうかもしれません。
また、自分でもどうしたいのかわからないということもあるでしょう。
そんなときは、ノートに自分の気持ちを書いたり、家族やスクールカウンセラーと話したりすることで少しずつ気持ちが整理できるかもしれません。
ただ、自分ひとりでは難しい、家族には話したくない場合もあるかもしれません。
そんなときは不登校や辛い気持ちを抱えている学生への支援団体があるので、ぜひ活用してみましょう。
教育相談センター
都道府県や市区町村が運営する機関で、基本的に無料で利用する事が可能。
教育相談員・発達相談員(心理・福祉)、専門療法士(言語聴覚士・作業療法士・理学療法士等)、医師などの専門家がカウンセリングを実施しています。
※「教育相談センター」と検索サイトで検索してください
チャイルドライン
チャイルドラインは、18歳までの子どものための相談先です。名前や連絡先や学校名は、言わなくても大丈夫。「受け手」と呼ばれるボランティアの大人が話を聞いてくれます。なお、次にかけたときに同じ受け手と話が出来ない可能性がある点には注意が必要です。
https://childline.or.jp/index.html
ユキサキチャット
LINEを使って無料で相談ができます。奨学金や公的な制度、転校の情報や、在宅ワークを含め、希望の仕事に就くための勉強方法など、さまざまな悩みを解決するサポート提供してくれます。
https://www.dreampossibility.com/yukisakichat/
<中学生の場合> 学校以外の場所を見つける
学校に行かないことで、居場所を失ってしまうことや勉強が遅れてしまうのでは?と不安になる中学生の方もいるでしょう。今取れる選択肢を紹介します。
フリースクール
主に小中学校の生徒が通う場所。勉強のほか、自分がしたいことをすることが多い。在籍する小中学校の校長が認めれば、出席扱いとなり内申点もつく場合がある。また、その場合は通学定期を発行することも可能。
塾・家庭教師
私立高校へ一般受験する場合などは、内申点があまり重視されない学校もあるため、塾や家庭教師で勉強を教えてもらうという選択もある。
通信制高校・サポート校へ進学
毎日登校しなくてはいけない全日制高校と違って、通信制高校では登校頻度や学び方を自分で選ぶことができる。最近ではプログラミングやeスポーツ、芸能関係のことなどを学ぶことができる学校も増加しており、注目が集まっている。もちろん毎日登校する形式を選択することも可能。
<高校生の場合> 学校を変えるという選択肢
学校に行かないとどうなってしまうのか不安で、一歩が踏み出せないという人も多いかもしれません。でも、ほかにも選択肢は用意されています。
登校頻度を減らす・保健室登校
高校の中には、保健室登校でも出席と認められて単位を取得できる学校もある。また、体調に合わせて登校頻度を調整する「五月雨登校」を行い、体調回復まで様子を見ること可能。ただし、テストを受けることができない、出席日数が足りなくなってきたという場合は留年となる可能性もある。
通信制高校・サポート校へ転入
高校には、全日制の他に定時制と通信制という種類がある。いずれの学校を卒業しても高校卒業資格であることに違いはなく、大学進学ではAO・推薦・一般での受験も全て可能である。なお、通信制高校では、登校頻度が自分で選べるほか、学年やクラスといった概念がない学校が多い。
高卒認定試験
高校卒業と同程度の能力があることを証明する資格。これにより、高卒を条件にしている企業への入社が可能になるほか、大学受験・専門学校への進学が可能となる。ただし、最終学歴は「中卒(高卒認定有)」となる。
終わりに
辛いことや苦しいことに遭遇した時、人はすごく疲れます。身体も心も消耗してしまうんです。
でも、疲れている時に、正しい判断をするのは難しいし、乗り越えるにも、どの程度の無理をすれば乗り越えられるかは分かりません。
だからこそ、疲れたときは、休む時間をきちんと作って、疲れを癒すことに専念してみてくださいね。
そして、選択肢というのは、知っているだけで心の逃げ場になってくれるはずです。ぜひここで紹介した選択肢についても調べてみてください。
この記事を書いたのは
通信制高校ナビ編集部
「一人ひとりに最適な学校探し」をテーマに、さまざまな進路選択を考える生徒さん、親御さんに向けて、よりたくさんの選択肢を提供できるよう、通信制高校、サポート校に関連する情報を発信しています。