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高校中退...その後の進路・就職への影響は?将来の選択肢は?
現在、高校を中退する人は年間5万人以上。
自分の夢のためや、高校が合わないという理由で自主的に辞める人もいますが、「いじめられた」「学校との関係がうまくいかなくなった」「家庭の事情で…」などの理由から学校を辞める人もいます。
しかし、高校中退には就職や将来の選択肢において、少なからずデメリットもあります。そのデメリットを乗り越えるにはどうすればいいのでしょうか?
高校中退はその後にどう影響する?具体的なデメリットとは?
まずは、中退した人が直面する困難や、それを乗り越える方法などを具体的に解説していきます。
デメリット①進学・資格取得への影響
大学や専門学校の入学資格は、「高校卒業もしくは同等以上」。
そのため、中退後に進学がしたいと思った場合でも、まず高卒資格か、高卒認定資格を取得することが必須となります。
また、仕事をしていく中で、資格を取らなければキャリアアップができない職場もあります。
資格の多くは学歴に関係なく受験することが出来ますが、中には高校卒業資格が必要な資格も存在するため、その資格を取るためにはまず、高卒認定資格から取得しなければなりません。
「学歴は不問・実務経験が◯年以上あれば可」という資格もありますが、ここでも実務経験を積む以前に、採用してもらえるかが課題となる可能性があります。
デメリット②就職・収入への影響
高校を中退するということは、最終学歴は中卒となります。
しかし、高校進学率が高校進学率が98.8%となった現代では、仕事をしたくても、中卒・高校中退という理由で断られてしまう、そもそも応募ができないということも多いようです。
そのため、高校中退者には日雇いの仕事や単発のアルバイトなど、不安定な職に就く人も多いと言われています。
このことにより、収入が十分でなく自立した生活ができない、家庭を持つことができないなど、その後の生活基盤にも関わる問題へつながる恐れがあります。
デメリット③人間関係への影響
高校を中退するということは、【学校】という場所を離れることになり、テストや授業、その他一切の学校行事と縁がなくなります。そして学校で毎日会っていた友人や、先生、先輩や後輩と会うことも少なくなります。
中退後であっても、自主的に連絡を取り合うことで関係を続けることは可能です。
しかし自分と全く違う生活を送る友人との関係性に悩み、疎外感や劣等感、さみしさを感じはじめ、そのうちに関係が疎遠になってしまうという中退者が多いのもまた事実です。
デメリット④社会性への影響
高校という場がなくなって失われるものとして忘れられがちなのが、大多数の人と関わる機会の喪失です。たとえ全員と話す機会がなくとも、誰と誰がどういうことでモメた、なぜ自分はこう考えるのに他の人は違うのだろうなど、他者がいることで自分自身も考えたり、行動を振り返る機会は多いもの。こうした経験から身につくのが社会性です。
しかし高校中退で人と接する機会が減ることで、こういった機会が減少した場合、知らず知らずに他者と関わるための力が下がってしまう可能性があります。
デメリット⑤情報獲得への影響
今はスマホやパソコンがあれば数多くの情報にアクセスすることができます。しかし、ネットの情報だけでは、あなたが普段見ている情報に近いものや、大多数に向けて配信される一般的な情報が圧倒的に多くなってしまいます。
一方で、学校という場では、先生が一人ひとりの状況を見て与えてくれる情報や、地域や高校生ならではの活動などとも出会うことが可能です。
高校中退後の進路の選択肢は?
中退に伴うさまざまな困難を紹介してきましたが、中退をしたからといって社会へ出る道筋が閉ざされてしまう訳では決してありません。
中退から、進学や就職を目指すための方法を考えていきましょう。
選択肢①就職する
高校中退の場合、履歴書に書ける最終学歴は「中卒」ですが、だからといって就職できないわけではありません。知識や経験がなくても、若い人の体力や考え方を重視して採用してくれる企業は存在します。
しかし、周りの友達はまだ学校に通っており、自由な時間が多かったり、部活や修学旅行などを楽しんだりしている中で、毎日働くのは想像以上に大変です。
大卒・高卒と比較して中卒での就職者が最も早期退職率が高いという調査結果も出ているので、就職する際の覚悟が重要と言えるでしょう。
選択肢②起業する
昔と違い、今は起業したりフリーランスで仕事をしている人も数多くいます。起業であれば誰かに雇ってもらう必要もないので、学歴も関係ないと言えます。
しかし、起業にあたっては、アイデアだけではなくそれをお金に結びつけていく力、周りに助けてもらう力、経理業務をしたり、契約書を作成したりといったビジネス知識も必要となってきます。
技術力があれば、信頼を得て徐々に仕事を取っていくことも可能ですが、そのためには、まず技術力を身につける必要があります。また当然ながらビジネスマナーなども必要であるため、自分で学ぼうという姿勢が大切です。
選択肢③高卒認定試験に合格して進学する
高校を卒業しなくても、「高卒認定資格」を取得することで、大学や専門学校へ進学することが可能になります。
「高卒認定資格」は、高校を卒業した人と同じくらいの学力があるということを、国から認定される資格であるため、学歴としては「中卒」となりますが、大学や短大・専門学校の受験資格を得ることができます。
その他、進学以外にも各種国家試験に活用することが可能です。
受験資格も低く、受験する年度内(受験する年の翌年3月31日)に「満16歳以上」になる人で、大検や高校卒業資格を持っていない人であれば、受験することができます。
選択肢④別の高校へ編入して高卒資格を取る
学校を中退し、再び入学することを【編入】と言います。
全日制の場合は、高校2年生修了後に退学をした人は3年生から編入することができますが、2年生の途中で退学した場合は、再び2年生から編入し直さなければなりません。
一方、通信制高校には学年という考え方がないため、必要な単位を取得すれば高校を卒業することが可能です。
中退前に取得した単位も引き継ぐことができるので、編入時期と取得済み単位によっては、同級生と同じタイミングで高校を卒業することも可能です。
なお、編入をするには試験を受ける必要がありますが、全日制では3月、通信制高校では、3月と9月頃に編入試験が行われることが多いようです。学校によっては時期に関係なく受け付けている場合もありますので、体験入学や資料で必ず確認しておきましょう。
選択肢⑤高等課程のある専門学校に進学する
専門学校といえば高校を卒業してから行くイメージがありますが、中には高等課程を持っている専門学校も存在します。
そこでは、高校の勉強をしながら専門技術を学べるため、卒業時には高卒資格と専門技術の知識の両方を得ることができます。中にはそのまま専門的な資格を得ることも可能な分野もあります。
ただ、毎日登校することが前提となったカリキュラムなので、学校へ行く習慣が失われている人や、高校で不登校だった人などは注意が必要です。
選択肢⑥海外へ留学する
日本の高校が合わないと感じる人には、海外留学という手段もあります。
海外留学では語学だけではなく、日本にいるだけでは感じられない文化の違いや、考え方に触れることが可能です。
その後日本の大学などに進学したい場合も、留学期間によっては帰国子女枠での入学が可能だったり、先述した高卒認定試験に合格すれば入学は可能です。
【まとめ】高校中退からの将来
高校中退の末路は悲惨だ、将来は大変なことになる、などといった情報を目にすることもあると思いますが、高校を中退しても取れる選択肢はたくさんあります。
もちろん、一度合格して縁があった学校を中退することなく卒業した方がいいことに違いはありませんが、入ってみたら合わなかった、やりたいことができたなど、中退となってしまうことが仕方ない場合もあります。
高校を辞めて働くにしても、高校中退から通信制高校で高卒資格の取得を目指すにしても、どんな選択が可能なのかを知った上で中退した方が、前向きに考えられるはず。
しっかりと、高校中退後のことも考えた上で判断していけるといいですね。
【重要】高校中退に関するよくある質問
「高校を辞めるとどうなってしまうの?」「それからどうしたらいいの?」
と、高校中退について不安がある方に向けた重要ポイントを最後にまとめました。
Q.高校中退すると困ることは?
A.高校を中退すると最終学歴は中卒となります。その後進学したいと思っても、大学や専門学校の入学資格は「高校卒業もしくは同等以上」であるため、進学が難しくなります。また、中卒の正社員雇用率は3割程度であるため、アルバイトや非正規雇用の可能性が高くなってしまいます。
Q.中退後に高卒資格を取るには再入学しかない?
A.以前通っていた高校で少しでも単位が取得できていれば、別の高校に単位を引き継いで編入することができます。必要な単位数があれば卒業できる通信制高校であれば、引き継ぐ単位の数次第で全日制高校よりも短期間で高校を卒業することが可能です。
Q.高卒認定ってなに?
A.高卒認定とは、「高校卒業と同程度の学力があることを証明する資格」です。取得すれば大学進学も高卒以上の募集がある会社へ応募も行うことができますが、あくまでも「高卒資格」とは異なるため、最終学歴は「中卒のまま」となります。
この記事を書いたのは
通信制高校ナビ編集部
「一人ひとりに最適な学校探し」をテーマに、さまざまな進路選択を考える生徒さん、親御さんに向けて、よりたくさんの選択肢を提供できるよう、通信制高校、サポート校に関連する情報を発信しています。