【素朴なギモン】妊娠しても通信制高校には通える? 卒業できる?

通信制高校

教育問題

2019/03/29

妊娠した。

それは本来、「おめでとう」と言われるべきものですが、高校生で妊娠した場合、子どもの出産や育児のために全日制高校への通学が難しくなってしまったり、在籍学校の校則によっては退学となってしまったりする場合があります。

文部科学省による2015・2016年度の調査によると、全日制公立高校が生徒の妊娠を把握した数が1006人。うち392人が自主退学や学校の勧めによって退学しています。

私立高校に関する調査データはありませんが、多くの高校で生徒の『不純異性交遊』を禁止する校則があり、妊娠が発覚した場合はこの校則を破ったとして生徒が退学処分となったという情報が少なくありません。

しかし、通信制高校であれば、妊娠していても高校卒業資格を目指すことが可能です。

その理由や、気をつけるべき点はどんなものなのでしょうか?

なぜ妊娠すると退学につながってしまうのか

私立の全日制高校については、先程も紹介したように「妊娠=不純異性交遊をした」と認識され、校則違反を犯したことを理由に退学となってしまうことが多いようです。

退学処分というのは重すぎる処罰なのではないか、といった議論が起きていますが他の生徒への影響などを考慮してか、現在では「厳しすぎる」という結論には至っていません。

公立の全日制においても、妊娠中に起きるさまざまな体調トラブルなどに対応できない、と言った意見がしばしば見られます。

つわりがひどい、体育の授業に参加できない、通学時間の電車が混んでいる、産前産後は登校できないなど、実際に体調の問題でできないことも増えるでしょう。
そのほかにも、周囲の目線や噂話に絶えられない、という生徒もいるようです。

通信制高校ならば高校卒業を目指すことができる

通信制高校が妊娠中でも無理なく通えて、高校卒業資格を目指すことができるポイントを紹介していきます。

1,登校頻度が少ない

全日制高校は、1つの教科につき3分の1以上の欠席で単位を落としてしまいます。時間割も自分では選ぶことができないため、毎日登校する必要があります。

しかし、通信制高校では登校頻度も月数回から選ぶことができ、課題の提出も体調がいいときにまとめてやっておくなど、調整がしやすくなっています。

2,さまざまな事情の人が集まっている

通信制高校には、不登校になって転学した、成人だけど就職のために高校卒業資格を取りたい、校則にしばられたくない、やりたいことをやる時間が欲しいなど色々事情をもった人が多い学校です。

そのため、異質な存在として見られることは、比較的少ないでしょう。

3,留年のシステムがない

通信制高校は単位制のシステムを採用している学校が多いのが特徴です。

単位制であれば、もし単位を落としてしまってもまた同じ学年をやる必要はなく、落とした単位だけをまた取り直せばいいので、留年となることがありません。

4,出産の時期があっても半年延長で大丈夫

全日制高校のように学年制のシステムを採用している場合、産前産後に必要な2ヶ月間の休みのあとすぐに復学できれば良いですが、体調が万全ではない、保育園にいれることができないといった場合、すぐに復学できない可能性があります。

そうなると、授業のうち3分の1以上を欠席することとなり、留年となってしまうのです。

しかし、通信制高校には秋入学や秋卒業といったシステムがあるため、すぐに復学できなくても通常よりも半年間の延長で学校を卒業できる可能性が高いというメリットがあります。

まとめ

妊娠によって学業や進学の機会を奪われることは、誰にとっても望ましい事ではありません。

高校を中退することで、学歴や職歴がないことから仕事を探すことが困難となり、十分な収入が得られないために子どもと一緒に貧困におちいってしまう人もいます。

全ての人がこうなるわけではありませんが、自分のためにも子どものためにも、できるだけ学業を継続できるよう最善の選択をすることが大切なのではないでしょうか。

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この記事を書いたのは

通信制高校ナビ編集部