NHK学園の学習は”高校講座”を見るだけ? 勉強方法を先生に聞いてみた

生徒・先生の声

通信制高校

2014/11/26

NHK学園高等学校と言えば、『NHK高校講座』を思い浮かべる人は少なくないはず。でも実際、『NHK高校講座』を見て、どんな風に勉強を進めるのかわかりますか?

「高校講座を見るだけで、ほんとに勉強になるのかな?」
「リポートを作成するだけで、ちゃんと身につくのかな?」

と、不安や疑問を抱く人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、NHK学園高校の学習方法について詳しく聞いてみることに。
NHK学園高校だからできること、教育へのこだわり…等など、先生たちの教育にかける「熱い想い」を教えてもらいました!

  • 教材づくりのこだわりは、「先生に代わって教えてくれる」教材であること
  • 郵送リポート学習とネットリポート学習の違いは?
  • インターネットでリポートの添削をしているのは、NHK学園高校ならでは!
  • 高校の勉強は、これから生きていく上で絶対力になる

教材づくりのこだわりは、「先生に代わって教えてくれる」教材であること

NHK学園高校は通信制高校なので、生徒は自学自習で学習を進めます。

そのため、
ネットで授業を受ける生徒も含め自宅で勉強する生徒が、学校に行って直接先生に聞かなくても学べる教材を作ろう!
先生に代わって教えてくれる教材を作ろう!
というのが、教材作りのポイントなんだそう。

「先生に代わって教えてくれる教材」を作るために、毎年毎年チェックしたり、教育工学の鈴木克明先生にサポートしてもらったり、いろんな手法を取り入れながら、教材を作っているそうです。

郵送リポート学習とネットリポート学習の違いは??

リポートの学習方法には、『郵送』と『ネット』の2種類があります。

  • 郵送 → 紙のリポートに回答を記入。完成したら郵送で提出。
  • ネット → インターネット上でリポートに取り組む。内容は郵送と同じもの。

どちらを選ぶかは、生徒の自由。みなさん、自分のやりやすい方法で取り組んでいるようです。

郵送リポートは、より丁寧な添削指導が魅力!

こんな風に先生が赤ペンを入れて返してくれるので、生徒からは「丁寧だから、分かりやすくてありがたい!」と、大変好評だそう。

ただ、添削・コメントを入れてもらったリポートが返ってくるのは、だいたい2週間程度経過した頃。

生徒によっては、戻ってくるまでの間に次のリポート作成に進んでいることもあるので、戻ってきたリポートを復習しようにも内容を忘れていたり、思い出すことから始めないといけないということもあるんだそう。

「それだと時間がもったいないし、その時間を使って先に進みたい!」
そんな生徒には『ネットリポート』が便利なんだとか。

ネットリポートの魅力は、なんといっても素早いレスポンス!

論述以外の問題であれば、回答を記入したらすぐに正解が確認できるようになっているので、その場で復習したり、教科書を見返したりして、分からないことを早く解決できるのが最大の特徴。これなら、次へ次へとスピーディに学習を進めていきたいタイプの生徒にピッタリですね。

より丁寧な説明があった方が勉強しやすい人なら『郵送』、どんどん勉強を進めたい人なら『ネット』、こんな具合に選択すればよいのではないでしょうか。

インターネットでリポートの添削をしているのは、NHK学園高校ならでは!

インターネットを使ってリポート提出ができる通信制高校はたくさんあるけれど、インターネット上でも添削指導をするのは、NHK学園高校ならではの魅力なんだとか。

一般的なe-ランニング(インターネット学習)では、授業を撮影した映像を流して簡単な質問に答える形式が多くなっています。
そんな中、NHK学園高校の場合は、紙ではできないことをインターネット上でできるのであれば、「きちんと教育のツールとして使っていきたい」という想いから、インターネット上での添削指導にも力を入れはじめたのだそう。

こうして根気よく添削指導を続けているのは、「自学自習の習慣を身に付ける」ことを重視しているから。
たとえ今まで自発的に勉強してこなかった生徒でも、卒業するときにはしっかりと自学自習が身についている状態になるよう指導していくんだそうです。

子どもたちはやらなければならない、やったことで認められるとなれば、必ずできるようになる。

卒業するときには、たとえコミュニケーションが苦手な生徒でも質問するときには質問できるという、当たり前のことをきちんとできるようになっていることが大事だと思っている。

そんな風に、教頭先生はお話されていました。
生徒たちがこれから社会へと旅立っていくために、最低限必要なことはしっかりできるように指導しているのだそうです。

高校の勉強は、これから生きていく上で絶対力になる

卒業資格を取ることがゴールではあるけれど、その過程で自学自習の習慣を身に付けてもらうことがとても大事。
だから、 「リポートは大変だけどやろうね」「これだけやれば教科書1冊分やったことになるんだよ」そんなことを伝えながら、先生方は生徒と日々向き合っているのです。

教頭先生のこんなお言葉も印象的でした。

「やればやっただけ生徒の自信になるし、合格がもらえるまで何度もリポートを出し直したことなどは、卒業式で卒業証書を受け取るときに走馬灯のように思い出されるはずだけれど、そういう思いがないと高校卒業じゃない。簡単に単位が取れて高校卒業できるのって、なんだかさみしいじゃないですか」

たしかに、あの時これだけ頑張った、こんなことが大変だった…という記憶って、あとでいい思い出になったりしますもんね。実際に、苦労した分だけ、「高校を絶対に卒業するんだ」という気持ちが強くなる生徒も多いようです。

なぜ勉強するのか、を伝える

先生たち自身も学生の頃は、「高校の勉強なんて何の役に立つんだろう?」と、真面目に授業を受けていなかったこともあったそうです。しかし、大人になってみたら、「なんて無駄な時間を過ごしてしまったんだろう」「ちゃんと勉強していたら、もっと面白いことがあったはずなのに」と反省しているんだそうです。

だからこそ、“高校の勉強なんてどうでもいい”ではなくて、高校ではこれから生きて行く上で必要なことを学んでいるから、「きちんと向き合ってしっかりと勉強しよう」「絶対力になるからやっていこうね」ということを生徒たちに伝えています。

「大変だけど勉強を楽しいと思ってもらいたい」
これが先生たちの願いなんですね。

おわりに

学び方のスタイルの1つとして「通信制」があって、通信制を選んだ生徒だって全日制と変わらない内容を学んでいるし、きちんと卒業できる。そして勉強は、やって理解できればとても面白いし、日常の中で新しい発見に繋がるんだ。
そう生徒に伝えていきたい、そんな先生たちの想いがひしひしと伝わってきました。

「知らない」より「知っている」の方が、世界が広がって楽しいことは多くなります!「勉強なんてつまらない、したくない」と思っている人は少なくないかもしれません。でも、それって「わからない」からだったりしますよね。NHK学園高校の先生たちは、その「わからない」を「わかる」になるまで根気よく教えてくれます。

大人になったら、勉強できる機会なんて、ほとんどなくなってしまうかもしれません。高校生の「今」だからこそ、学べることがあります。同じ勉強をするなら、楽しく勉強した方が絶対に得だし、そんなチャンスがあるのだから是非とも活かして欲しいと思うのです。

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この記事を書いたのは

通信制高校ナビ編集部