受験は要領、数学は暗記! 大学合格に必要なのは自分に合った勉強法を確立すること
本などから学ぶ
2017/07/31
「大学受験、今から何をどう勉強すればいいのかわからない!」「地頭が良くないからどうせ無理……」と、はなから第一志望の大学を諦めてしまっている君におすすめなのが、受験勉強の方法を学ぶことだ。
悩む前に、まずはいろいろな勉強方法があることを知ってほしい。今回は、受験評論家の和田秀樹さんの本を紹介しよう。
受験は費用対効果を考えて取り組むべし!
精神科医の和田秀樹さんは、灘高校に入学後、落ちこぼれてしまったが、それをきっかけに勉強法を確立。その後、東京大学に入学したという。自身や家庭教師の体験を活かし、受験評論家として1980年代から多くの本を出版。ちなみに、映画監督も務めるなど幅広く活動をしている。
和田さんの受験メソッドの中でも有名なのが「数学は暗記」「受験は要領」という主張。多くの本があるが、まずは『難関大学も恐くない 受験は要領 たとえば、数学は解かずに解答を暗記せよ』(PHP文庫)、『受験は要領 テクニック編 「参考書は何をどう使うか」から、効率のいい勉強法・生活術まで』(同)を読むのがおすすめだ。
どういう学習法かを簡潔に説明しよう。
「○○大学に行きたい」と思ったら、今何年生であっても、まずはその学校の試験問題を解いてみる。そこで、自分の現在の学力と、これから身に付けるべき力を客観視する。
それから、合格点数(満点でなくていい)をとるために必要なことを把握し、自分でスケジュールを立てる。
和田さんは勉強においても「費用対効果」(費用=時間、効果=得点力)を考えるべきだと説いている。参考書を開いたとき、問題1問を解くのに、自力で解こうとしたせいで、その問題に1時間もかけてしまうのはもったいない、と。
数学なら、まずは問題を解かずに回答を見て解き方を暗記する。次に問題を見て解き方を思い出して進めていく。この学習方法こそが和田式なのだ。
勉強方法はいくつもある、自分に合った方法を見つけよう
和田さんは今年3月に発売した『受験学力』(集英社新書)の中で「やり方を教えることで多くの子供が救われるというのは私の信念だ」(p.72)と語っている。
勉強をしても成績が上がらないなら、それは勉強方法が悪いだけかもしれない。学校の勉強がうまくいかないなら、それはその方法がたまたま君に合っていないのかもしれない。もしかしたら分からないところまで戻って勉強しなおす必要があるかもしれない。まずは、それに気づくことが大切なのだ。
ちなみに『受験は要領 テクニック編』(PHP文庫)では、「教師とは、ときどき職員室でわからないところを質問して、“いい関係”を保っておけ」「テレビ番組が8時54分に終わったら、8時55分から勉強をはじめよ」「授業は聞くか、内職するか、居眠りするか、あらかじめ決めておけ」など、受験に向けて周りの環境をどう利用していくかなど、学校の先生がなかなか教えるのは難しいであろうテクニックが満載だ。
今回紹介した本を読めば、一つのゴールにたどり着くにはいろいろな方法があることがわかるだろう。勉強方法で悩んでいるなら、ぜひ一読を。
(松尾奈々絵/ノオト)
※本記事はWebメディア「クリスクぷらす」(2017年7月31日)に掲載されたものです。