通信に行く自分を認めたくない そんな気持ちが180度変わった【卒業式潜入レポ1】
生徒・先生の声
通信制高校
2015/04/18
2014年3月7日(金)、板橋区立文化会館にて行われた飛鳥未来高校 池袋キャンパスの卒業式に通信制高校ナビが潜入してきました。
卒業式の練習から潜入させて頂きましたが、練習中は「卒業式の本番は一生に一度しかないんだそ!真剣にやろうぜ!!」という先生の熱い言葉がホールに響き渡っていたのが印象的。本番が終われば、別れのときを迎える先生と生徒の絆を感じて、なんだかジーンとしてしまいます。
この記事では、答辞を務めた卒業生の山井 華さん(仮名)さんのインタビューを紹介します。
卒業を迎える今、「入学したときはどんな感じだった?」「 いちばん思い出に残ってることは?」「卒業後はどんな道にすすむの?」など、入学から卒業するまでがイメージしやすい質問に答えてもらいました!
飛鳥に来たら、通信の印象が180度変わったんです!
●お話を伺った人
卒業生 山井 華さん(仮名)
── 飛鳥未来に入学した当初はどんなことを思っていましたか?
山井さん「私は私立の中高一貫校から転校したんですけど、最初は通信と聞くと『どうしようもない』『やばい』『荒れてる』ってイメージしかなくって、最初はすごく嫌だったし、通信に行く自分が認められなくて。ホントどうしよう…という気持ちだったんです。
だから『高校の卒業資格を取って、大学に進学するため』と、割り切って行こうという気持ちで飛鳥に来ました。でも、飛鳥に来たら、そんな印象が180度変わったんですよ!」
── どんな風に変わったんですか?
山井さん「普通の高校だと、マニュアル通りの型にはまった教育しかしない先生もいて、一個人としては見てもらえない。ここの学校に通っている生徒の一人という雰囲気だったりしますよね。
でも、ここの学校は通信なのに、というか通信だからかもしれないんですけど、先生が一人ひとりの内面をしっかり見てくれて、『この子は強く言うと心が折れちゃうから優しく言おう』、『この子ははっきり言っても大丈夫』とか、人によって対応方法を考えて接してくれるんです。
その子に合った対応をしてくれるから、こっちも伸び伸びやれて、学校がもっと好きになれるんですよ」
── 飛鳥未来のよいところは他にもありますか?
山井さん「先生がいいですね。私の場合、英語ができなくて『こんなのも分かんないの?』っていうレベルなんですけど、馬鹿にされたことはないし、逆に『ここの問題分かった?』『前のとこ、説明大丈夫だった?』とか、いっぱい気にかけてくれて、絶対に生徒を見捨てないんです。
担任の先生だけじゃなくて、直接関わったことのない先生まで、私のことを知ってくれていたり、声をかけてくれてたりするんですよね。
あと、大人って、何かを頼んだりすると『今度ね』みたいに流す人も多いけど、ここの先生たちはちゃんと約束を覚えていてくれるので、本当に最高です!!!」
── 先生が最高っていうのがすごく伝わりました(笑)ほかにはありますか?
山井さん「いじめがないことはおっきいですね!
前の高校では、いじめというほどではなくても、陰口や無視というのはありました。でも、ここの学校の場合は思ったことを直接言う人ばかり。本音でぶつかってくれるし、本音でぶつかっても、言葉を考えてくれるんですよね」
── 言葉を考えてくれるというのは?
山井さん「例えば『そこ直した方がいい』とか強く言うんじゃなくって、『ここはもっとこうした方が◯◯ちゃんの魅力が出せるんじゃない?長所が出せるんじゃない?』って。
調和というか、自分たちを高めあっていける人ばかりです。短所が減って長所に磨きがかかる、自分の魅力を引き出せる環境を作ってくれるんです。
通信に来た人にはそれぞれいろんな事情があったはずで、だからこそ普通の高校に行っている人よりも、人に対しての思いやりがあるのかもしれないですね。
ここまでみんなが誰かのことを思いやって、優しさであふれているというのは、前の高校ではなかったので」
みんなの個性を発揮して、みんなが輝ける文化祭
── 飛鳥未来で心に残っている出来事って何ですか?
山井さん「バーベキュー、ディズニー遠足…いろいろあるけど、やっぱり文化祭ですね。文化祭というか、文化祭の準備にかける想いとか、準備期間に得られるものとかが大きいんです。
一緒に何かをすることで友達ができるし、友達との絆が生まれる。友達に支えられてることも実感するんです。
それぞれが自分の得意分野を分かっていて、まとめるのが得意だから仕切り役、陰で助けるのが得意だから買い出しとか裏方作業とか、みんなが自分の役割のなかで個性を発揮して、みんなが輝けるのが文化祭だと思います」
── なるほど。当日よりも準備期間で友達との絆が深まるんですね。
山井さん「部活とか、文化祭以外にも飛鳥にはいろんな行事があるので、そういう行事に参加することで、今まで友達関係とか苦手だった人でも、同じような境遇だった友達が見つかったりする。
仲良くなるきっかけができるので、行事の参加はおすすめです!」
先生に教えてもらったことを、未来の飛鳥生に伝えたいので、飛鳥に戻って”飛鳥の先生”になりたい
── 卒業後の夢を教えてください
山井さん「一般入試で帝京大学の法学部に合格したんですけど、この学校に出会うまで、夢なんてなかったから、とりあえず大学に行ってなんかしようくらいに思ってました。でも、この学校の先生に出会って、先生に教えてもらったことを、未来の飛鳥生に伝えたいので、飛鳥に戻って”飛鳥の先生”になりたいです」
── 先生になるのに、なんで法学部なんですか?
山井さん「そうなりますよね(笑) 実は法律が大好きで! それもここの先生の法律の授業がおもしろくって、法律の良さが分かったのがきっかけだったんです。だから、法律の勉強をしながら教員免許を取って、”先生”になるんじゃなくて、”飛鳥の先生”になることが夢です。そのためなら、どんなことでも頑張れます!」
おわりに
最初から最後まで、圧倒されっぱなしなほど、飛鳥未来のことが大好きと語る山井さん。彼女の口からは、飛鳥未来への熱い想いがどんどん溢れ出てきているのが印象的でした。
受験シーズンに、まわりにはAO入試や推薦入試で進路が決まっていた人が多かった中、一般入試を目指す彼女は、学校に来てもずっと勉強しなければならず、若干孤立していたそうです。でも、そうしないと勉強できないからと、自分から周囲と距離を置いたのだと。
無事に受験が終わったあと、みんなのところに戻ったとき、これまでの彼女の努力、辛さなどを分かってくれる友達ばかり。自分の戻る居場所をちゃんと用意してくれていた、戻りやすい環境をつくってくれていた、そんな精神的な支えがあったからこそ頑張れたことを痛感し、本当にうれしくて泣きそうになったんだとか。
そんな彼女の言葉を聞いて、本当にあったかい人に恵まれた学校なんだと伝わってきました。
取材協力
飛鳥未来高等学校
この記事を書いたのは
通信制高校ナビ編集部