世の中にはどんな仕事があるの? 生き方や職業をもっと知るためのヒント本5選

本などから学ぶ

2019/11/20

就きたい仕事や将来の夢を聞かれると困ってしまう。考えていないわけではないけれど、「これだ!」というものをまだ見つけられていない。

進路を考え始める時が近づくと迷ってしまう人も多いはず。今回は、なかなか周りの大人がしていない生き方や仕事を紹介していたり、自分に問いかけたりしながら読める本5冊を紹介します。
 

『新 13歳のハローワーク』(村上龍/幻冬舎)

国語や社会、理科、音楽といった好きな教科、休み時間や放課後などの好きな時間をヒントに職業を探せる仕事図鑑のような本書。約600種類の仕事が紹介されて、なかには臭気判定士、調香師、シャーマンなど世間であまり知られていない職業についても触れられています。

読み方は人それぞれですが、できれば「はじめに」にじっくり目を通してみてください。子どもと大人の違いやお金の稼ぎ方、好きなことは「探して見つける」のではなく「出会う」ものであること、そのためには好奇心が欠かせないことなど、大人にも子どもにも大切なことが書かれています。

仕事について考え始める中高生におすすめの一冊。将来の夢や進路を考えるきっかけを与えてくれることでしょう。

▼『新 13歳のハローワーク』(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/dp/4344018028/

『仕事を選ぶ 先輩が語る働く現場64』(朝日中学生ウイークリー編集部/朝日学生新聞社)

朝日中学生ウイークリー(現・朝日中高生新聞)の仕事紹介記事「ジョブなう」から、2010年10月~2013年12月の連載分をまとめた本書。64職種が10のカテゴリーに分けて紹介されています。

それぞれの仕事をするために必要な能力や日常の物事の取り組み方から、先輩から読者へのメッセージ、それぞれの職業に就くために必要な資格までが書かれていて、具体的な将来像を描く手助けをしてくれる一冊です。

あこがれの職業や将来やりたい仕事がある人は、目次から探してみましょう。まだ具体的でなくても気になるカテゴリーを読んでみると、「これだ!」と思える仕事を見つけられるかもしれません。

▼『仕事を選ぶ 先輩が語る働く現場64』(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/dp/4907150253/

『大阪デパ地下激戦区で働いてます。』(猫田ゆう/KADOKAWA)

多忙なデパ地下売り場の販売員たちを面白おかしく描くコミックエッセイ。高校卒業後、仕事を探していた著者(主人公)が、「スタッフになればハチミツ食べ放題」という言葉にひかれ、デパ地下ハチミツ専門店のオープニングスタッフへ応募したところから物語は始まります。

人見知りで不器用、販売員は初体験の著者。ギフト梱包がうまくできない、接客も大変……と苦労の連続ですが、周囲の人に支えられながら、頼もしい販売員へと少しずつ成長していきます。

販売員の仕事内容だけではなく、デパ地下の裏事情も語られていて、販売員や接客業に興味がある人へおすすめの一冊。お仕事漫画として興味深く読むことができます。

▼『大阪デパ地下激戦区で働いてます。』(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/dp/4040679725/

『生きる場所を、もう一度選ぶ 移住した23人の選択』(小林奈穂子/インプレス)

地方に移住者した23人が、働くことについて本音を語る本書。登場する移住者たちは、年齢や移住先、その理由、状況もさまざま。新たな場所で、身ひとつで仕事を作ったエピソードを紹介していきます。

大切なのは自分のやりたいことに素直でいること、そして「どうにかなる」というポジティブさ。常識にとらわれず、やりたいことに取り組む姿が印象に残ります。

移住を決めた理由やその時の感情などが簡潔に記されており、読みやすいのも特長です。都会を離れて田舎暮らしをしてみたい人はもちろん、そうでない人も生き方を考える良いヒントになることでしょう。

▼『生きる場所を、もう一度選ぶ 移住した23人の選択』(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/dp/B01MUHPXQF/

『自由な人生のつくり方』(伊藤守/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

コーチングの第一人者である著者が、自分の素晴らしさを受け入れ、人生を楽しく生きる方法を紹介した本書。

「がんばらなくていい。あなたのしたいように生きればいい」「人生で大事なのは「やる気」ではなく「やる」こと」「今日一日をどんな日にしようかと考える」など、自分を好きになったり、一歩踏み出したりするための40の方法が簡潔かつ明快に綴られています。

世間で言われる正しさにこだわらず、自分自身を受け入れたり、認めたりしてみることが自由な人生の第一歩なのかもしれません。少し疲れた時、凹んだ時、うまくいかないなぁと感じている時に、読むと心が軽くなる。そんな作品です。心の持ちようや生き方のヒントを得られることでしょう。

▼『自由な人生のつくり方』(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/dp/4887597053/

どこかに自分が好きなことがきっとあるはず

“だまされないように、好奇心をつぶされないように、いろいろなものに積極的に興味を示して、子どものころは「好きなこと」に、成長したら「自分にむいている職業」に、出会うことができたらいいと思います。(『新 13歳のハローワーク』より)”

この言葉にあるように、将来の職業や生き方を見つけるヒントは、あなたの「好きなこと」に隠されているのかもしれません。「好きなこと」が見つけられないと感じる人は、見つけようとするのではなく、いつ出会っても大丈夫なように心の準備をしておくとよいでしょう。

本記事でも紹介したように、職業や生き方をテーマにした作品は世に数多く送り出されています。ぜひ本を通じて、「好きなこと」に出会ってみてくださいね。

(企画・選書・執筆:水本このむ 編集:鬼頭佳代/ノオト)

※本記事はWebメディア「クリスクぷらす」(2019年11月20日)に掲載されたものです。

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