どうすればいい親になれるの?――不安な気持ちに寄り添ってくれる子育てヒント本

本などから学ぶ

2017/12/04

子育ては正解がないとわかっていながらも、悩みはつきることはありません。

「自分の育て方は本当に正しいのかな」と不安に押しつぶされそうになることもあるでしょう。

そんなときに、ぜひ読んでもらいたい子育てヒント本を選んでみました。

『子どもが育つ魔法の言葉』(ドロシー・ロー・ノルト、レイチャル・ハリス/PHP文庫)

世界22カ国で愛読され、日本でも120万部を超えるベストセラーとなった子育てバイブル。子育ての不安を解消する魔法の言葉がいっぱいです。

「不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる」「愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ」など19個の言葉と、それぞれの言葉を実現するための知恵が散りばめられています。

ぱっと目次を見て、そのときの気分に合う言葉を選んで読むのもよいでしょう。著者のやさしいアドバイスが、子育てに疲れ気味の心を癒してくれるはずです。

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『子育てのイライラ・怒りにもう振り回されない本』(篠 真希/すばる舎)

「アンガーマネジメント」をご存じでしょうか? 「アンガー」とはイライラや怒りの感情を指す言葉。それらの感情と上手に付き合うための心理教育がアンガーマネジメントです。

自身も二児の母で、「母親向けアンガーマネジメント」のプロでもある著者が、怒りの感情を未然に防ぐ方法をわかりやすく解説。怒りの感情コントロール法だけでなく、子どもの心に届く叱り方についても書かれているので、実践的で具体的にイメージしやすい内容となっています。

子どものイヤイヤ、グズグズとそれに接するお母さんの様子が4コマ漫画で添えられていて、「わかるわかる」となること間違いなし。感情をうまくコントロールできずに悩んでいるママ・パパにおすすめです。

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『叱るより聞くでうまくいく 子どもの心のコーチング』(和久田ミカ/KADOKAWA)

元小学校教師の著者が、9年間の教師生活の中で行き着いたコーチングの手法が書かれています。コーチングでは子どもを無理やり変えることをしません。子どもを親の思い通りに動かすのではなく、「自ら考えて行動できる子」に育てていきます。

本書で、子育ては主に「聞く」「ほめる・叱る」「考えさせる」に分けられるとあります。子どもの話や気持ちを聞くことは簡単なことではありませんが、聞き方のコツがていねいに書かれています。「聞く」ことは子どもをまるごと受け入れることと同じで、心の土台をつくることでもあります。

「土台があるからこそ、『ほめる・叱る」で子どもの芽を育てることができる』という著者の言葉に、はっとさせられる人も多いのではないでしょうか。

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『ウワサの保護者会“私の子育て大丈夫?”と思った時に読む本』(NHK「ウワサの保護者会」制作班/マガジンハウス)

小・中学生の保護者たちが“ホゴシャーズ”としてスタジオに集合し、毎回ひとつのテーマについて、本音で語り合うNHK Eテレで放送中「ウワサの保護者会」の単行本です。悩みを受け止めてくれるのは、尾木ママこと教育評論家の尾木直樹さん。

子どもの育て方や思春期の子どもとの向き合い方、インターネットが急速に発展する現代社会ならではの悩みなどを、ホゴシャーズの体験談、番組アンケート、小児科医やファイナンシャルプランナーなど専門家の意見を交えて、さまざまな角度から解決策を探っていきます。

難しい専門用語は使われていないので読みやすく、同じ悩みを抱えている人と一緒に解決方法を探していく気分になれるので、「子育てで悩む人は私一人じゃないんだ」と安心できることでしょう。

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『人間は9タイプ 子どもとあなたの伸ばし方説明書』(坪田信貴/KADOKAWA アスキー・メディアワークス)

『ビリギャル』の著者、坪田信貴氏による良い親子関係を築くための指南本。

本を開くと、まず90問の質問があります。これは心理学を応用した診断テストで、回答し、答えを集計すると「完璧主義」「献身家」「達成者」「芸術家」「研究者」「堅実家」「楽天家」「統率者」「調停者」の9タイプのうち、回答者がどのタイプなのかという結果が出ます。

ここまでが序章で、第一章は「タイプ別・伸ばし方説明書」、第二章は「タイプ別・我が子が伸びる勉強指導法」が著者の経験と併せて書かれています。

診断・集計はパソコンやスマートフォンでも可能で簡単にできるので、親子で一緒にやってみるといいでしょう。自分と子どものタイプが違うことが分かれば接し方も変わってきます。子どもとのコミュニケーションの取り方を見直す機会を与えてくれるはずです。

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心に寄り添ってくれるやさしい本を読もう

今回は、保護者の心に寄り添ってくれるようなものから、誰かに相談しているかのようなもの、子どもと一緒に読めるようなものなどを紹介しました。

不安な気持ちになったときに心を落ち着かせたり、落ち込んだときに勇気をもらったり、子育てマニュアルではなくあくまでも子育ての参考書として読むと、心がちょっと軽くなるかもしれません。

100人子どもがいれば100通りの子育てがあり、100通りの個性があります。そして親の個性もまた100通りあるのです。親子は皆それぞれに違うものです。

子どもと、そしてパートナーや自分自身と向き合い、時に本を手に取りつつ、自分に合った方法を見つけていきましょう。

(選書・執筆:水本このむ 編集:田島里奈/ノオト)

※本記事はWebメディア「クリスクぷらす」(2017年12月4日)に掲載されたものです。

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