2017/12/29

からだの性・心の性・好きになる性――「ありのままの自分」を支えてくれる、LGBT・セクシャルマイノリティのヒント本5選

本などから学ぶ 

LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの4つの言葉の頭文字を併せた言葉。広い意味では、性的少数者=セクシャルマイノリティを表す言葉として使われています。

「自分のセクシャリティがわからない」、「大切な人からLGBTとカミングアウトされた」といったシーンで、迷ったり戸惑ったりすることもあるかもしれません。手元に置いておきたい本を5冊ご紹介します。

『LGBTってなんだろう?–からだの性・こころの性・好きになる性』(薬師実芳、笹原千奈未、古堂達也、小川奈津己/合同出版)

まさに「LGBTってなんだろう?」という人におすすめの本。レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーだけでなく、多様なセクシャリティが紹介されており、図説やイラストでわかりやすくまとめられています。

また、当事者の学生50人以上の声が紹介されているのも注目したいポイント。学生たちが実際に抱く疑問をもとに解説し、対応策を提案するという読みやすい構成になっています。

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『先生と親のための LGBTガイド: もしあなたがカミングアウトされたなら』(遠藤まめた/合同出版)

教師や親など、子どもと接する大人に向けたLGBT入門書。トランスジェンダー当事者である著者が子どもの悩みをQ&A方式で取り上げ、LGBTに関する知識や対応を解説。LGBT当事者との向き合い方を紹介しています。

子どもたち自身、「自分はレズビアン」「自分はトランスジェンダー」などとはっきり認識している子どももいれば、「ゲイかも」「性別迷い中」「男っぽくするのがイヤ」という声も。誰もが必ずしもどこかのタイプにがっちりと当てはめられるわけではなく、そもそも性とは、人間とは揺れ動くものなのでは、と考えさせられます。

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『カラフルなぼくら』(スーザンクークリン/ポプラ社)

実在するトランスジェンダーの若者たちの物語。本書は6人のティーンへのインタビューで構成されています。幼少期、高校の卒業アルバム、性別適合治療中の写真なども掲載されていて、どのように性と向き合い、成長していったか、実体験をもとに感じることができます。

「ジェンダーというのは、社会が考えている以上に流動的なものなんだ」「ジェンダーで『いる」(be)のではなく、ジェンダーを『している」(do)んだ。少なくとも自分のジェンダーを自分で決めている」というキャメロンの考え方は至極明快です。

本書は「この一冊でLGBTのことが分かる!」といった本ではありません。むしろセクシャリティやジェンダーの複雑さに戸惑うかもしれません。しかし、だからこそ、人が人に向き合うための姿勢を教えてくれるはずです。

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『LGBTQってなに?―セクシュアル・マイノリティのためのハンドブック』(ケリー ヒューゲル/明石書店)

LGBTQの子どもたちが現実を生き抜くための知恵を説いた本。10代の若者向けに、セクシュアル・マイノリティに関する基礎知識と、さまざまな問題への対処法がていねいに具体的に書かれています。

「ホモフォビア」「カミングアウト」「学校生活」「仲間」「恋愛」「セックスとセクシュアリティ」「健康管理」「宗教と文化」「トランスジェンダーの10代」「仕事と大学」……と、セクシュアル・マイノリティの人生をおおう切実な問題ばかり。レズビアンである著者の語り口は率直でユーモアがあり、どの対処法も現実的でうなずけます。

ちなみに、LGBTQの『Q』は『Questioning』の頭文字で、まだ自分の性的志向や性自認がはっきりしていない人のこと。「迷っても大丈夫」「今すぐ決めなくていい」という言葉に勇気づけられるティーンも多いのでは。

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『LGBTを読みとく: クィア・スタディーズ入門』(森山至貴/創筑摩書房)

「クィア・スタディーズ」の入門書。クィア・スタディーズとは、性の多様性を扱うための比較的新しい学問領域です。

セクシャルマイノリティを「学問」することの意義は、差別をなくすために必要なのは「良心」や「道徳」ではなく「知識」だから、と著者は語っています。

本書を読み進めるうちに、セクシャルマイノリティを「LGBT」という言葉でまとめてしまうことの危うさに気づかされます。性の多様性やセクシャルマイノリティを「もっと知りたい」という人におすすめです。「クィアってなんだろう?」とページをめくる手が止まらなくなることでしょう。

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学校であれば40人のクラスに3人はLGBTの子どもがいる

現在、人口の8%、約25人に2人がLGBTであると言われている日本。学校であれば40人のクラスに3人はLGBT当事者がいるということで、自分の性的志向や性自認がはっきりしていないQの子どもを含めれば当事者はもっと多く、そもそも性は人間誰もが関係あることです。

人と向き合うために、また、自分と向き合うために、多様な性があることを知る。自分自身も、さまざまな人が暮らす世界の一員なんだということを今一度噛みしめたいですね。

(選書・執筆:水本このむ 編集:田島里奈/ノオト)

※本記事はWebメディア「クリスクぷらす」(2017年12月29日)に掲載されたものです。

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