2018/05/22

お酒を飲みすぎる家族にどう向き合えばいい?――アルコール問題に悩んだら手に取りたい本5選

本などから学ぶ 

お酒を飲んだ家族に困ってしまうことがある。酔っぱらった家族と一緒にいるのがつらい。「お酒を飲むのをやめてほしい」と言っても聞いてもらえない。

もしかして、アルコール依存症なのでは……? お酒を飲みすぎる家族と、どうやって向き合えばいいの?

そんなとき、手にとってほしい本を5冊ご紹介します。

『酔うと化け物になる父がつらい』(菊池真理子/秋田書店)

アルコール依存症の父、新興宗教にのめりこむ母。そんなふたりのもとに生まれた著者が、家族とアルコールの関係を描くノンフィクションコミックエッセイです。

毎日のように飲み歩き、週末のたびに記憶をなくす父。飲酒運転で車を燃やしかけたり、話も一切通じないほど泥酔して帰って来たりすることも。家族にとっては手のつけられない「化け物」は、一緒に住んでいる間だけでなく、いなくなってからも家族の心をむしばみつづけます。

アルコールが家族を壊していくリアルな様子から、そんな父親と過ごした家族の変化まで。本作は人間との付き合い方や考え方を丁寧に掘り下げ、鮮明に描いていく。

家族とお酒の付き合い方に悩む人はもちろん、お酒を楽しんでいる”つもり”のすべての人に読んでほしい一冊です。

▼『酔うと化け物になる父がつらい』(Amazon)
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『西原理恵子×月乃光司のおサケについてのまじめな話 アルコール依存症という病気』(西原理恵子/小学館)

元夫のアルコール依存症に悩んだ漫画家・西原理恵子氏と、青年期に若年性アルコール依存症になった経験をもつ作家の月乃光司氏によるリアルな体験談。家族と当事者という異なる立場から、お酒とアルコール依存症について語り合います。

「アルコール依存症は、誰もがなる可能性がある”病気”」と月乃氏。アルコール依存症の基本を理解するために、ぜひ読んでほしい一冊です。

コラムや用語解説では、国立の医療機関として日本で初めてアルコール依存症専門病棟を設置した久里浜医療センター院長の樋口進氏がアドバイス。巻末に自助グループやその他のサポート団体、専門医療機関(2010年5月時点)の情報も載っています。

▼『西原理恵子月乃光司のおサケについてのまじめな話 アルコール依存症という病気』(Amazon)
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『だいじょうぶ!依存症』(高部知子/現代書館)

精神保健福祉士・高部知子氏による脳のメカニズムから回復までをつづった初心者向けの「依存症」解説本。アルコールだけでなく、薬物やギャンブルなどへの依存が章ごとに紹介されています。

依存症と中毒の違いから、薬物による脳のメカニズムの変化、依存症当事者の周りの家族やパートナー、友人はどうすればよいのかまで、本書は専門的な内容を語り口調でわかりやすく解説。また、各章の冒頭には4コマ漫画による解説があり、お酒の中に含まれる「アルコール摂取量の基準」がイラストで描かれています。

巻末には、依存症への理解をさらに深める本の一覧も。本書を読んで、さらに見識を深めたい方は、ぜひ高部氏が紹介する本を手に取ってみてください。

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『「家族」が幸せを取り戻すとっておきの方法(アルコール依存症〈回復ノート〉(3))』(アルコール薬物問題全国市民協会/アスク・ヒューマン・ケア)

1983年に任意の市民団体として誕生したアルコール問題全国市民協会(現・特定非営利活動法人アスク)が、アルコール依存症からの回復をガイドする同シリーズ。この巻は、アルコール依存症と闘ってきた家族向けに書かれたものです。

アルコール依存症を“モンスター”に例え、お酒を飲む人とその家族が本当に向き合うべきものは、姿の見えないモンスターなのだと教えてくれる本書。単なる読みものではなく、質問の答えを記入していくワークブックになっているのが大きな特長です。

「”私がなんとかしなければ”と背負ってきたものを思い出してみましょう。どれぐらいあるでしょう」
「飲酒の問題を解決する責任は、本来、誰にありますか?」

今どんな問題が起こっていて、これからどういう行動をとったらいいのか。家族の気持ちや苦労に寄り添いながら、これからどういう行動をとったらいいのかを示してくれます。質問への答えを書き込むなかで、客観的に前向きに考えるヒントになってくれるはず。

▼『「家族」が幸せを取り戻すとっておきの方法(アルコール依存症〈回復ノート〉(3))』(Amazon)
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『ボクのことわすれちゃったの?―お父さんはアルコール依存症―』(プルスアルハ/ゆまに書房)

精神科の看護師+医師の著者ユニット「プラスアルハ」による、親がアルコール依存症になったときの子どもの気持ちの理解と関わりをテーマにした絵本。「おはなし」と「解説」の2部構成になっています。

「おはなし」では、父親の飲酒問題で傷つく小学生の主人公・ハルくんとその家族の様子を描いています。

ある日、倒れて病院に運びこまれた父。入院中に、アルコール依存症の専門的な治療を勧められ、そこから家族みんなで回復に踏み出す姿がハルくんの目線でつづられています。

本書の中では、ハルくんが(お父さんがお酒を飲むのは)ボクが悪い子だから、ボクのせいかも」と悩むシーンが……。アルコールのトラブルの最大の犠牲者は子どもかもしれないことに気づかされる印象的な場面です。

「解説」では、アルコール依存症のメカニズムと回復過程を詳しく描写しています。さらに、「おはなし」で描かれる子どもの気持ちと行動をどう理解し、対応していくかについての具体的なアドバイスも。

親のアルコールの問題で子どもの心に傷を負わせないためには何が必要なのか。まず、大人が本書を読むことから始めてみてはいかがでしょうか?

▼『ボクのことわすれちゃったの? ―お父さんはアルコール依存症―』(Amazon)
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「お酒」の問題を、他人事としないでほしい

お酒の力は思っている以上に強いもの。またアルコール依存症は「否認の病」といわれており、周りは困っていても、本人が問題視していないケースも多いもの。家族や周りの人々だけで解決できないときには、医療機関など専門家に頼ることも必要です。

その勇気が出ないとき、まずは同じ問題に向き合ってきた方々の本を手にとってみてください。どうか一人で抱え込まないでくださいね。

(選書・執筆:水本このむ 編集:鬼頭佳代/ノオト)

※本記事はWebメディア「クリスクぷらす」(2018年5月22日)に掲載されたものです。

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