毎日学校でつらい思いをしている君へ 昔いじめられていた26歳から伝えたいこと
先輩に聞く
2017/07/28
いじめを受けている。いじめかどうか分からないけれど、聞こえるように悪口を言われたり、毎日小さな嫌がらせをされ続ける。
現在26歳の私は、中学生の頃に毎日のようにそんな嫌がらせを受けていました。はじめは、悪口を言われたり、班になるときにほんの少しだけ机を離されたり。それが段々とエスカレートしていって、教科書や提出物がなくなったり、上履きにゴミを入れられたりしていました。はっきり言って、これらは全ていじめです。
もしも、今、中学や高校でそんな苦しい日々を生き抜いている人がこれを読んでいるなら、私からあなたに届けたい言葉があります。
いじめを受けていた当時の私は、「人生、ずっとこのままかもしれない」と本気で思っていました。
派手で可愛い子たちは、先生たちのウケもいい。毎日楽しそう。そんな人たちがイケてるグループだとすれば、可愛くもない、地味な私は最底辺でつまらないグループ。
これからの将来、彼らや彼女らはイケイケな人生を送り続け、幸せになれそうだけど、私はどうなるのだろう。九州の田舎の公立中学校の中ででさえ上手に生きられない私は、どんな大人になるんだろう。
苦しくてどうしようもないのに、その状況から逃げ出す手段もわからなかった私ですが、その頃やっていたことがありました。それは、インターネット上で、顔も知らない人たちとチャットなどでコミュニケーションを取ること。
世界には、自分の通う学校以外の広い世界があり、同じような悩みを抱える仲間がたくさんいることも知りました。
つらいのは、私だけじゃない。日本中に同じような人がいるんだ、と。
そう思えたら、ちょっとだけ元気が出ました。同時に、このままだと、私をいじめた人たちと同じ高校に進むことになる、ということにも気がつきました。
同じ高校に行ったら、同じ流れのまま、嫌な人生が続く可能性がある。私は勉強に打ち込み始めました。
その後、私は高校進学を利用して地元の人と離れ、自分の心を守りました。同級生の誰ともかぶらない学校を選んで、東京に出てきて素敵な人と結婚。今では、幸せな毎日を過ごしています。14歳の私に教えてあげたら、きっと腰を抜かすほど驚くに違いありません。
今いる場所が苦しかったら、そこから勇気を出して離れていい。それは逃げているわけじゃなく、あなたの心を守る正当な手段です。つらい日々は絶対に終わりが来るし、苦しい状況は続かないから大丈夫。先輩の私がそう言ってるんですから、ちょっと信じてみてください。
インターネットで検索すれば、あなたの行きたい学校がほかにあるかもしれないし、進学や転校を利用して地元の人たちと離れることだってできます。そして、あなたの世界は学校だけじゃありません。確かに学校は大事だけど、この大きな世界のなかではちっぽけなもの。
今苦しんでいるあなたへ。世界はとっても広くて、いろんな人がいることを、もっとあなたが毎日幸せに生きられる場所があることを、どうか忘れないでくださいね。
(雨宮美奈子+ノオト)
この記事を書いたのは
雨宮美奈子(あまみや・みなこ)
ライター。1990年生まれ、シンガポールで生まれ育ったハーフ。福岡の私立高校を卒業し、九州大学で法社会学を学ぶ。大学卒業後は不動産や出版社を経験し、フリーランスに。現在は東京で夫と2人暮らし。
Twitter:https://twitter.com/areyoume17
※本記事はWebメディア「クリスクぷらす」(2017年7月28日)に掲載されたものです。