高校生留学のススメ 「トビタテ!留学JAPAN」の返済不要の奨学金制度「日本代表プログラム」を利用して、人生を変える留学をしよう!
先輩に聞く
2017/12/08
「高校生で留学」と聞くと、「自分には関係ない話だ」と感じてしまう人も多いのではないだろうか。なんとなくだが、英語が得意で、経済的に裕福な家庭でなければ難しいような気がしてしまう。
しかし、現代ではそうとは限らない。若者の留学を促進させるための留学支援制度、留学奨学金が非常に充実しているからだ。
中でも、文部科学省が展開する「トビタテ!留学JAPAN」は、手厚い給付奨学金だけでなく、留学生同志のコミュニティ形成や研修制度などにも力を入れている。日本の若者の海外留学への気運を醸成する官民協働の留学促進キャンペーンで、企業からの寄附によって年間約1,500名の高校生と大学生に返済不要の留学奨学金を給付する「日本代表プログラム」を提供しているのだ。
▼【文部科学省】トビタテ!留学JAPAN – その経験が、未来の自信。
http://www.tobitate.mext.go.jp/
▼【文部科学省】トビタテ!留学JAPAN 高校生コース
http://www.tobitate.mext.go.jp/hs/index.html
今回は、この「トビタテ!留学JAPAN 高校生コース」を利用した3人の高校生達に、高校生留学について話を聞いた。
留学するには、親を説得できなければならない。きちんと説明するために、まずは知識を蓄えるところから
まずは、今年の夏休みにアメリカに約3週間の短期留学をした井上優さんに話を聞いた。
――どんな留学だったか、教えてください。
私は‟シネマ留学”というテーマでアメリカに行きました。将来映画に関わる仕事がしたいと思ったのですが、どのような形で関わるかは決めていなかったので、まずは映画の本場ハリウッドに行って、さまざまなことを感じてみようと思ったんです。
具体的には、語学学校に通いながら、学校内やその周辺の人々、カリフォルニア大学を卒業している日本人夫婦の方などにインタビューをするフィールドワークを行いました。また、ハリウッドやディズニー本社など、映画と関わりのある場所にも行きました。実際に映画を作ったり、フィルムスクールに通ったりしたわけではありませんが、現地でしかできないような貴重な体験をしました。
――この留学で成長したなと感じる所はどこですか?
すごく積極的になることが出来ました。語学学校のクラスでは日本人が私1人だけだったので、他の日本人に頼ることもできなくて。そこで思い切ってどんどん違う国の人に話しかけたことで、人そのものに対する怖さがなくなりました。また、英語力も上達したようで、英検のリスニングがすごくゆっくり聴こえるようになりました。
――「留学したい!」と思ったら、まず何からすればいいでしょうか?
高校生の場合は、親を説得するための材料を揃えることから始めるべきだと思います。まずは、留学についての知識を蓄えて、自分の口できちんと説明できるようになりましょう。私の場合は、「どういう留学派遣会社があるのか」「留学費用はどれくらいになるのか」「行きたい場所やそこの治安が大丈夫か」などをインターネットで徹底的に調べてから、親に相談しました。
――留学のどんなところがおすすめですか?
やはり、自分の価値観が変わる所だと思います。いろいろな国の人を見て、話したことで「違い」を何とも思わなくなりました。留学前よりも人間として大きくなれた気がします。
中学生や高校生になりたての頃に留学に行けば、知らないことばかりです。だからこそ新しく知ることや感じることが多く、夢ややりたいことが見つかりやすいと思います。
大学生の場合だと、明確にやりたいことが決まった上での留学が多いと思いますが、高校生の場合はやりたいことをみつけるための留学でも良いのかなと。
それに中高生限定の留学支援制度はトビタテ!留学JAPANの他にもいくつかあるので、そういう意味でも中高生のうちに留学できるならしたほうが良いのかなと思います。
国際ボランティアで、フィジーへ留学。日本人だけが人前で意見を言えていないと感じた
次に話を聞いたのは、今年の夏休みにフィジーに3週間の留学をした小谷実加さんだ。
――どんな留学内容でしたか?
私は‟国際ボランティア留学”をしました。フィジーの村の民家でホームステイをしながら、午前は幼稚園で子どもたちの相手をして、午後は村の道路を作ったり、ビーチクリーニングをしたりしていました。
ボランティアのグループはイギリス人、オランダ人、中国人、アメリカ人、ドイツ人、カナダ人、日本人の7カ国14人で構成。毎週、異国の高校生とペアを組んで企画を立て、幼稚園で子どもたちを楽しませていました。
――この留学で成長したなと感じるところはどこですか?
自分の意見を言えるようになったことと、何事もポジティブに考えられるようになったところですかね。留学序盤に、日本人だけが大勢の中で意見を持てていない、言えていないということに気づいて、積極的に意見を言うように心がけました。
フィジーは、心が豊かで、寛容で楽観的な人たちが多いと感じました。そんな人達と一緒に過ごしたら、なんだか自分自身もポジティブシンキングになって(笑)。留学に行って思い通りにならない経験をたくさんしたことで、いちいち心が折れていてもしょうがないと思うようになりました。実は、フィジーは2016年末に発表された「世界幸福度調査」で1位になった国なんですよ。
あと、やはり英語力は上がりましたね。帰国後の模試の英語では成績が2段階上がりました。
――「留学したい!」と思ったら、まず何からすればいいでしょうか?
まずは軽い気持ちでいいので、どんなところに行ってみたいかを考え、国を調べてみてほしいです。私の場合は、きれいな海の国に行きたいという気持ちで調べ、結果フィジー留学にたどり着きました。
留学中は分からないことだらけ! 周囲に頼らざるを得ない状況で「人として図太くなった」
3人目は、学校を休学して2カ月強の留学を経験した、高校2年生の丹下櫻子さんに話を聞いた。
――どんな留学内容でしたか?
私の留学テーマは“観光学”。日本と同じ島国であるニュージーランドに留学しました。
具体的にはホームステイをしながら現地の高校に通って、毎日朝8時半から14時半までの6時間みっちりと授業を受けていました。観光学の授業以外にも、数学や英語などの授業も履修しており、現地の高校生のような生活をしていました。
――この留学で成長したなと感じるところはどこですか?
わからないことがあったらすぐに周りの人を頼れるようになりました。留学前の私は「全部自分でやらなければ」と思うタイプで、留学前の準備も全て自分でやろうとした結果、キャパオーバーになってしまって……。結局、余計に親に迷惑をかけてしまいました。しかし、留学中は分からないことだらけで、周りに頼らざるを得なかったため、色んな人に頼り助けられました。
授業後の質問なども、日本では周りの目を気にして控えていたこともあったのですが、留学先のクラスでは分からないことを聞くのが当たり前。質問は恥ずかしいことではないと知り、今では頻繁に質問に行くようになりました! 人として図太くなったなと思います(笑)。
――「留学したい!」と思ったら、まず何からすればいいと思いますか?
自分が何をしたいのかを考えることだと思います。私の場合は、将来訪日観光客のサポートがしたいという夢があったので、観光についての留学を考え、ニュージーランド留学が決定しました。
考えても何がしたいかわからない人も多いと思います。そんな人はまず何事にも参加してみることから始めるべきだと思います。興味が無いことでも参加してみれば、意外とおもしろいと思うかも。
インタビューを終えて
今回のインタビューを終えて驚いたことは、高校生で留学を経験した子たちから「もっと早く留学するべきだった」という意見が聞かれたことだ。
海外留学という体験を通じて、視野が広がり、自信がついたと話す高校生たち。あなたも、高校生で留学に行くことで、本来考えられなかったようなその後の人生を手に入れることができるかもしれない。ぜひ、行きたい国や、留学支援制度などについて調べてみてほしい。
この記事を書いたのは
※本記事はWebメディア「クリスクぷらす」(2017年12月8日)に掲載されたものです。