2021年4月開校! テクノロジーに特化したクラークの新キャンパス「CLARK NEXT Tokyo」の教育がすごい
生徒・先生の声
通信制高校
2020/08/28
2021年4月、クラーク記念国際高等学校(以下、クラーク高校)が東京都板橋区に新たなキャンパス「CLARK NEXT Tokyo」を開校します。
いまや文系・理系を問わず、誰もがテクノロジーに親しむ時代。そこでクラーク高校は次世代技術に特化した授業を学生に提供するため、プロ仕様の最新設備を備えた10階建ての校舎を新設しました。
そんな新キャンパスでは、ロボット工学やプログラミング、eスポーツといった最先端の技術を学ぶことができます。また、教育方法も従来の方法とは違う特徴的な手法が導入されるそう。
これからの未来を生きる学生たちに、一体どのような教育を展開していこうとしているのか、実際にお聞きしてきました。
●お話を伺った人
3つの新しい教育手法とは?
― 「CLARK NEXT Tokyo」では、技術を学ぶだけではなく、それを活かすための教育手法を取り入れていかれるそうですね。
具体的にその手法を教えていただけますでしょうか。
成田さん「はい。まず1つ目は、エドテック※ を活用した学習です。対面、映像、オンラインなど、生徒1人ひとりのレベルや志向に合わせた授業を行い、好きなことや興味のあることを楽しんで学ぶうちに『好き』を『得意分野』に変えていきます。
2つ目は、チーム単位で1つのモノを創り上げるプロジェクト型授業です。チームの中で生徒1人ひとりが自分の役割を持ち、仲間とアイデアを出し合い、コミュニケーション力や協調性を養いながらモノづくりやコトづくりに挑みます。
授業を通してプログラミングなどのスキルを習得できるだけではなく、自分たちで大会運営やプロジェクト管理も手掛け、アイデアを実現する力を育みます。
3つ目は、同校の名誉学長に就任した佐藤知正先生が提唱する『社会実装教育』の実践です。
ロボット研究の第一人者であり、東京大学の名誉教授も務める佐藤先生のもと、(1)ニーズや課題の把握、(2)価値の考案と開発、(3)社会への導入、(4)評価を得て改善する、というサイクルを回し、身につけた技術を社会に役立てる方法を学びます」
※エドテック:Education「教育」とTechnology「技術」を組み合わせた造語
需要の高まる分野で可能性を広げよう
― 「CLARK NEXT Tokyo」では最先端技術を学べるとお聞きしましたが、具体的にはどんなコースがあるのでしょうか?
成田さん「ロボティクス、ゲーム/アプリ、eスポーツの3コースが設けられます。それぞれのコースを説明させてください」
ロボティクスコース
成田さん「ロボティクスコースは、生徒専用のロボット工房で機体づくりからプログラミング制御までゼロから学びます。
プログラムによってロボットを思い通りに動かし、機体をカスタマイズしながら何回同じ行動ができるか耐久性を確認。機体と制御をどちらも学び、ロボットの有効な活用方法を考察します」
― ロボット技術の学びには、どんな魅力があるのでしょうか?
成田さん「高齢化社会が進む日本にとって、生活を豊かにするため人間社会にどうロボットを組み込んでいくかは未来への命題とも言えます。
一人暮らしの高齢者をサポートするロボットの開発や、ロボットの可動域を理解した上で誰からも可愛がってもらえるプロダクトデザインの制作など、技術力をベースに社会問題の解決にチャレンジできるのがこの分野の魅力ですね」
― 生徒は、実際に作ったロボットを何かに活かすことはできますか?
土屋さん「ロボットづくりに慣れたら『マイクロマウスクラシック』『ロボワン』『FIRST』といった自律制御型ロボットの大会にも積極的に出場し、仲間と入賞を目指していきます。
新キャンパスでは生徒主体のロボット大会も開催でき、昔から工学の街として知られる板橋区内にはロボット大会に出場している小・中学校もあるんですよ。
ロボットの仕組みや動かす楽しさなど、自身が学んだことを小・中学生に伝えることでロボットへの理解も一層深まるでしょう」
ゲーム/アプリコース
成田さん「ゲーム/アプリコースでは、バンダイナムコやタイトーで活躍したゲームプロデューサー・川島健太郎氏が率いる株式会社ヒノタマと業務提携しており、実践的なゲーム/アプリの企画・デザイン・プログラミングをトータルに学べます。
C、Java、Python、Ruby、html、cssなど、ゲームからWebサイトまで作りたいモノに応じて覚える開発言語を選びます。
その他にも、データサイエンスやAIの活用法などITについて幅広く学べるカリキュラムが用意されているので、好きなことを追求しながらスペシャリストを目指すことができます」
― 幅広い分野を学ぶことができるのですね。
土屋さん「はい。さらに、自分たちのつくったゲームやアプリが世の中にどう受け入れられるか、多くの人に利用され楽しんでもらうにはどう改善するべきかを高校生のうちから知るため、ゲームでは東京ゲームショウなどの外部コンテストにチャレンジします。
アプリではGoogle PlayやApp Storeで実際に配信し、開発物に対する評価や反応を受けてより良いモノづくりに挑みます」
eスポーツコース
― 数多くの世界大会が開催され、人気が広がっているeスポーツですが、クラーク高校ではすでにさまざまな大会に出場して実績を残していますよね。
eスポーツコースではどのようなことを学ぶのでしょうか?
成田さん「新キャンパスでは「プレイヤー」と「大会運営」の両面からeスポーツにアプローチします。
まず、同校ではeスポーツの大会を運営できる組織が少ない、という業界全体の課題解決を目指し、eスポーツイベント運営会社RIZeST(ライゼスト)と提携しました。
同社が培ってきた企画・放送・運営ノウハウを教わり、実際に生徒たちが自ら大会の企画やスポンサー集めを手掛けるイベントを開催します」
― 大会運営まで学べるというのはとても珍しいですね! プレイヤーとしてはどのような環境があるのでしょうか?
成田さん「プレイヤーとしては世界的なeスポーツゲーム『リーグオブレジェンド』をプロのコーチから学び、外部大会へ挑戦します。
このタイトルは5対5のチーム戦で行われ、戦略と役割分担、各人のプレイスキル、そしてチーム内のコミュニケーションが勝敗を左右するため、高校生の教材としても優れている点が特徴です。」
土屋さん「放課後の部活動では、『ウイニングイレブン』や『実況パワフルプロ野球』、『グランツーリスモSPORT』、『フォートナイト』など、好きなタイトルを存分に練習できます。プレイ環境の良さから、ゲームをするなら家より学校!という、一昔前には考えられなかった状況が生まれるでしょう。
eスポーツは全国のクラーク高校でも盛んに行われており、9月にはクラーク生によるコナミデジタルエンタテインメント後援のパワプロの大会も開かれる予定です」
実践的な学びで業界の未来をも切り開く
― 全てのコースが、今後に期待される分野であるばかりか実践的な学び含まれていて、就職や進学にも有利な能力が身につきそうです。
成田さん「ロボティクスやゲーム、アプリは今後ますます需要が高まり、eスポーツもオリンピックの正式種目として採用が検討されるほど人気が広がっています。高校生のうちから作り手や運営者として専門的なスキルを磨けば、大学進学や就職など将来の可能性も大きく広がるはずだと、我々も考えています」
― 企業側としても、学生時代に実践的なスキルを身に着けた人材が育つという期待から、様々なノウハウ提供や提携に至っているのでしょうか。
土屋さん「多くの企業が自社のノウハウを提供し協力してくれる理由は、教育を通して次世代を担う人材を育て、業界全体を盛り上げたい、という強い意志をもっているからだと考えています。
例えば、eスポーツを教える通信制高校はずいぶんと増えましたが、そのほとんどはプロのプレイヤーになることを目指しています。
一方、当校ではプレイスキルの向上以外に大会の運営方法も学び、実際に自分たちで大会をつくりあげます。
運営に興味を持つ高校生が増えれば、大会の演出や放送にフレッシュなアイデアが生まれ、より多くの人にeスポーツの魅力が伝わるかもしれません。
つまり、次世代の育成がeスポーツの発展につながる…。ここに、企業が学校に協力する価値が生まれていると思います」
― 未来を見据えた教育に共感した企業が、高校生を全力でサポートしてくれているというわけですね。ありがとうございました!
この記事を書いたのは
通信制高校ナビ編集部