本気でゲームに打ち込めば世界が広がる! 「CLARK NEXT Tokyo」でプロのコーチからeスポーツを学ぼう!
生徒・先生の声
通信制高校
2020/10/08
2021年4月に開校するクラーク記念国際高等学校(以下、クラーク国際)の新キャンパス「CLARK NEXT Tokyo」では、eスポーツ、ゲーム/アプリ、ロボティクスの3コースが用意されています。
中でも、世界的な盛り上がりを見せているeスポーツはクラーク国際の全国15キャンパスでもすでに「eスポーツ部」が設けられ、いち早く専攻化した秋葉原ITキャンパスではスタートからわずか2年で全国大会の準優勝チームが誕生しました。
クラーク国際のeスポーツが急成長を遂げた理由。それは、単にプレイスキルだけではなく、戦術やチーム内コミュニケーションなど、勝つために必要なことをイチから教えてくれるプロの講師陣がいるからだと、クラーク国際でeスポーツ指導に携わる中務先生は言います。
「eスポーツを通して人間的に成長してほしい」
そう語る講師の方々に、これまでの取り組みやeスポーツを教える上で大切にしていること、今後への期待を伺いました。
●お話を伺った方
生徒との距離を縮め、理解度に応じて教える内容を変える
―― 最初に、クラーク国際でeスポーツを指導するようになった経緯を教えてください。
Sesamiさん「私はゲームの全国大会で優勝したことがあり、プロゲーミングチーム『Rascal Jester(ラスカル ジェスター)』でマネージャー兼通訳をしていました。プロゲーマーではありませんでしたが、ゲーミングハウスで暮らし、プロゲーマーを支えていたんです。そんな時、オーナーからクラーク国際でeスポーツを教えてみないか、という打診を受け、2018年から秋葉原ITキャンパスで指導するようになりました」
YuKiさん「私は『Rascal Jester』のプロゲーマーで、5対5のチームで競い合う『リーグオブレジェンド(LOL)』の国内トップリーグに参戦していました。クラーク高校でもこのタイトルを扱うことからSesamiさんに誘われたのがきっかけです」
Sesamiさん「プロのゲーミングチームに所属していたものの、私自身はプロゲーマーではありませんでした。指導をしていく中で細かい技術はやはりプロから教わった方が良いと考え、YuKiを誘ったんです」
―― これまでeスポーツを教えたことはあったのでしょうか?
Sesamiさん「ありません。そもそも日本にはeスポーツの講師がほとんどいないので、教える内容や講義の進め方などのマニュアルがないんです。そこで欧米や韓国といったeスポーツ先進国からマニュアルを取り寄せ、翻訳して教えていました。
でも指導していく過程で、マニュアルに縛られず、生徒の成長スピードに合わせてその都度適切な情報を届けた方が遥かに上達することに気付きました。YuKiとも話し合い、いまはマニュアルを作らず生徒の理解度に合わせて教える形に変えています」
―― 生徒の理解度に合わせて教える内容を変えるのは負担も大きいのではないですか?
YuKiさん「プロゲーマー同士だと1つ言えば6か7まで伝わるので、あまり教え合う機会がありません。でも、初めてeスポーツに取り組む高校生には1から10まですべてわかりやすく説明する必要があります。どのように話せばスムーズに吸収してくれるだろうと考えすぎて眠れない夜もありましたね(笑)」
―― 教える内容以外に、生徒との接し方などで工夫したことはありますか?
Sesamiさん「どうコミュニケーションを図っていくか、という点に苦心しましたね。年齢も離れているし、話を投げかけてもあまり返ってこない。生徒との距離を縮めるために、授業中ではなくプライベートの時間に一緒にLOLを遊びました」
YuKiさん「私の場合は逆で、私が生徒と距離をとっていましたね。その方が講師として指導しやすいと考えていたんです。だけど、生徒と接していくうちにそれではダメだと気付きました。いまの生徒はフレンドリーに話しかけた方がこちらの意図を正確に受け取ってくれ、わからないことがあれば気軽に質問してくれる。接し方を変えてから距離がグッと縮まりました」
中務先生「全国大会で準優勝を果たすチームが生まれたのも、お二人が尽力してくれたおかげです」
「ゲームをやってはダメ」という根強く残っている意識を変える
―― eスポーツは年々規模が拡大していますが、「ゲームはスポーツじゃない」「高校でゲームを学ぶのは良いことなのか」という声はいまも根強く残っています。高校生が学校でゲームを学ぶことについてはどうお考えですか?
YuKiさん「勉強をしたくないからゲームで遊ぶ、というように、ゲームが嫌なことからの逃避になってしまうとダメだと思います。私にもそういう時期がありましたが、他のことをしっかりやった上で競技として取り組むのであればゲームを通して人間的にも成長できますし、高校でeスポーツを学ぶ意義を見い出せると思います」
Sesamiさん「LOLはチーム戦なので、チームが強くなるにはコミュニケーションが欠かせません。時には仲間の弱い部分も指摘して、改善を促さないといけない。でも、厳しいことを仲間に伝えるには自らの振る舞いやプレイを振り返り、自分と向き合わなければならないんです」
中務先生「そのためにも、生徒をきちんとモニタリングすることが大切ですね。生徒1人ひとりに目が行き届いていなければ、良い方向に導くことはできませんから」
―― 生徒たちの取り組み方はいかがでしょう。「学校でゲームができてラッキーだ」という軽い考えではなく、「eスポーツで成果を出したい」というような熱意は感じられますか?
Sesamiさん「昨年、全国大会の決勝戦で敗れましたが、生徒たちは控室で号泣していました。例えば、野球部の高校生が甲子園の決勝で負けて流す悔し涙と、eスポーツの全国大会の決勝で負けて流す悔し涙に大きな違いはないと思うんです。それはどんなスポーツや部活動でも同じで、本気で頑張ったからこそ本気で悔しいし、想いの強さが涙になって表れた。生徒たちのあの涙は決して忘れませんし、次は嬉し涙に変えてあげたいです」
YuKiさん「生徒たちはみんな真面目に授業に取り組んでいます。スポーツとして認めてほしいとは言いません。でも、真剣な競技としては認められたいです」
Sesamiさん「思春期に1つの目標に向かって努力したかどうかは、その後の人生にも大きな影響を与えます。これから入学してくる生徒には、ぜひLOLを通して青春を感じてほしいですね」
eスポーツを通して、生徒と保護者の人生も変わる
―― 来年、デジタル分野に特化した「CLARK NEXT Tokyo」が開設しますが、新キャンパスで期待することや今後の目標を教えてください。
中務先生「eスポーツは海外の方が盛んなので、スキルが上がると自然と世界が近くなります。海外で活躍しようと思ったら、英語も学ばなければならない。ゲームだけではなくて、eスポーツから生まれる副産物の学びにも期待しています」
Sesamiさん「最後まで冷静に、ロジカルにプレイできたチームが勝つのがeスポーツです。メンタル面も強化して、クラーク国際をeスポーツの常勝校にすることが目標です」
YuKiさん「多くの子どもたちはゲームばかりするなと言われてきたと思いますが、eスポーツコースではゲームで遊ぶことを推奨しています。設備も充実していますし、ゲームが好きな人にはとてもポジティブな環境です。この環境を思いっきり楽しんでほしいですね」
―― eスポーツコースにはゲーム好きな生徒が集まるでしょうし、共通の話題があれば自然と仲良くなれそうですね。
Sesamiさん「中学から高校1年まで不登校だった生徒がeスポーツコースに入って毎日出席するようになった例もあります。人によってきっかけは異なるでしょうが、その生徒を変えたのは紛れもなくeスポーツです」
YuKiさん「好きなことに夢中になり、気の合う仲間と出会い、その結果、学校に来ることが楽しくなれば、私たちにとってもこんなに嬉しいことはありません」
中務先生「先日、『CLARK NEXT Tokyo』の体験授業を行ったのですが、子どもたちが楽しそうにゲームをする姿を見て、保護者の方もとても楽しそうでした。
ほとんどの保護者の願いは、子どもに好きなことをさせてあげたい、毎日楽しく学校に通ってほしいというもの。しかし、探求心のある子どもがゲームを好きになり、のめり込むうちに学校で孤立するようになると保護者の心も痛むものです。でも、ここなら子供が好きなことを保護者も素直に応援できる。そして、同じ悩みを持つ保護者同士で相談できる。
実際、体験授業の後に何十分も話し合っている保護者の方がいました。初対面なのに、です。この新キャンパスで、生徒も、保護者も、自分にとって歩きやすい道を見つけてほしいと思っています」
―― ゲームを通じて人間的な成長を目指すeスポーツコースだからこそ、生徒は好きなことに夢中になることができ、保護者もその姿を応援できるんですね。
「CLARK NEXT Tokyo」で学んだ生徒がeスポーツを一層盛り上げてくれる日を楽しみにしています。ありがとうございました!
この記事を書いたのは
通信制高校ナビ編集部