通信制高校は、通学日数や授業形式が全日制高校とは大きく違いますが、学校生活の中でも特別な行事である、入学式や卒業式にも大きな違いがあるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
ここで、通信制高校の入学から卒業までの流れを確認していきましょう。
授業や普段の生活については、通信制高校の授業内容・授業スケジュールをご確認ください。
入学前(説明会・試験・面接など)の準備
通信制高校は全国から入学可能な学校も多いため、学校選びに迷う人が多いでしょう。
学校生活を充実させるためにも、高校を卒業するためにも、入学前からの準備が大切になってきます。
学校の情報収集をしよう
インターネットで検索したり、気になった学校の資料を取り寄せたりして、学校の内容についてしっかりと調べてみて下さい。
最初からどこの学校に行こうと決めすぎず、まずは複数の学校を知ることで後悔しない学校選びができます。迷ったら、お住まいの地域ややりたいことから探してみるのも良い方法でしょう。
説明会やオープンキャンパスに参加しよう
資料を見るだけではなく、実際にいくつかの学校に行ってみましょう。説明会やオープンキャンパスなどのイベントを活用し、複数の学校を比較して自分に合うところを探すのがおすすめです。
実際に通っている生徒の顔や学校の様子を体感することで、自分が通うイメージや安心感が生まれるでしょう。また、分からないこと・不安なことを直接相談することもできるため、通信制高校自体への不安も解消することができます。
入学審査について
学校に入学するには、審査を受けることが必要な場合があります。内容は一般的な入学試験のイメージとは異なり、筆記試験を行わずに書類や面接などが行われることが多いです。
※学校によっては学力次第で入学ができない場合もあるので、学校に確認しましょう。
面接では、「なぜこの高校を選んだのか?」などがよく聞かれますが、自分なりに学校を比較し、学校見学に行っていれば簡単に答えることができるでしょう。
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入学式当日
入学式は主に4月と10月に行われます。
服装は、スーツや襟のある服装などで参加する人が多いようですが、制服がある学校では全員ではないものの、制服姿の生徒も見られます。
入学式の会場は区民・市民会館などが多く、複数のキャンパスがある学校は、地区ごとに複数のキャンパスが合同で入学式をすることもあります。
式当日は、午前中に集合して校長先生の話を聞いたあと写真撮影……という流れで、全日制高校と大きな違いはありません。
卒業に必要な3要素、レポート・スクーリング・テスト
通信制高校ではレポート提出・スクーリング・テストによって卒業に必要な単位を取得していきます。どのようなペースで実施が必要になるのかを紹介します。
レポート
レポートは、多くの学校では穴埋めや選択問題が多くなっており、教科書や学校の授業(動画も含む)を参考にすれば、自分ひとりでも無理なく進めることができるようになっています。
なお、レポート課題はパソコンやスマートフォンから提出できる学校もあり、いつでもどこでも好きな時に進めることができるため、毎日課外活動で忙しい生徒には人気のようです。
スクーリング
学校に登校して授業を受けることをスクーリングと言います。スクーリングは年間5日程度の合宿に参加すればよい学校もあれば、週1~5日通学するスタイルの学校もあり、登校頻度を選べるのが通信制高校の特徴です。
この頻度が選べる点が、不登校からの復学を目指す生徒にも通信制高校が通いやすいと言われる理由です。
テスト
通信制高校にもテストはありますが、全日制高校とはちょっと意味合いが違います。全日制で行われる中間テストや期末テストは生徒の学力をチェックするための「定期考査」ですが、通信制高校のテストは「単位認定試験」と呼ばれ、高校卒業資格の取得に必要な単位を修得するためのテストとなります。
通信制高校では単位認定試験で赤点を取っても、スクーリングやレポート課題をきちんとやっていれば、追試や補習で単位が認定される場合もあります。
テストに落ちたら?
もしテストに合格することができず、単位を落としてしまっても、通信制高校はその次の年に同じ教科を再度取得申請して、落とした単位だけをやり直すことが可能です。
全日制や定時制であれば、単位を1つでも落としたら学年をやり直す「留年」となってしまいますが、通信制高校では落とした単位だけを取り直せばいいので、「留年」にはならないので安心してください。
ただ、卒業には必ず74単位が必要になるので、留年がないからといって安心しすぎないようにしましょう。
さまざまな年間イベント
学校によっては毎月のようにお楽しみイベントが開催されています。
学園祭や修学旅行はもちろん、BBQ、ボーリング大会、クリスマス会などを行うところもあり、遠足でディズニーリゾートに行くところも多いそう。
イベントをきっかけに仲良くなって友達の輪が広がる! という生徒の声も聞かれるため、どんなイベントがあるのかも知っておきたいですね。
卒業要件と卒業式
通信制高校は最短3年で卒業でき、学歴は「高校卒業」となります。
卒業式も入学式と同様に区民・市民会館などを利用し、校歌斉唱や卒業証書の授与が行われます。
3年間で学校が大好きになった生徒たちが、友達や先生との別れを惜しむ姿も多く見られます。
卒業後
卒業後の進路は、専門学校への進学が多く、大学進学、就職、と続きます。
通信制高校の中には卒業後も進路相談などをサポートしてくれる学校もあり、手厚いフォロー体制があることも魅力です。
また、通信制高校は先生と生徒の距離が近いため、卒業後に生徒が学校に遊びに行っても、先生もはっきり覚えてくれていることが多く、生徒側も自分の成長を見せに行きやすいという特徴もあります。
通信制高校の入学から卒業までの流れ、なんとなく理解できたでしょうか?
学校によっても制度やサポート体制、タイミングなどが違ってきますので、細かい部分はそれぞれの学校に必ず質問するようにしてください。
この記事を書いたのは
通信制高校ナビ編集部
「一人ひとりに最適な学校探し」をテーマに、さまざまな進路選択を考える生徒さん、親御さんに向けて、よりたくさんの選択肢を提供できるよう、通信制高校、サポート校に関連する情報を発信しています。