通信制高校を知る
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通信制高校の「私立」と「公立」の違いとは
通信制高校にも、全日制と同じように私立と公立があります。
「授業料が違う」というイメージはあると思いますが、それ以外にも違いはあるのでしょうか。
ここでは、通信制高校の私立と公立の違いを整理していきます。
違い① 学費
【公立】
1単位 … 180~1,200円
卒業に必要な費用 … 10万円程度
【私立】
1単位 … 5,000~12,000円
卒業に必要な費用 … 40万円程度
全日制と同じく、通信制高校も公立の方が学費は安くなっています。
しかし、世帯収入によっては修学支援として最大1単位4,812円をもらえるため、単位取得にかかる費用は、公立では無料。私立の通信制高校でも20万円程度となるでしょう。。
ただし、このほかにも入学金や教材費、教育運営金、施設設備費等が加算されるので、実際は少し費用が上乗せされる形となります。
違い② 勉強の仕方・体制
公立
中学校卒業程度の学力があるという前提で勉強が進められます。
また、登校日数も月数回というところが多いため、先生に質問できる機会も少なく、勉強のつまずきを自分で解消できる力が求められます。
私立
中学から不登校だった生徒など、学習に苦手をもった生徒にも対応するため、中学、時には小学校の段階に戻って勉強を教えてくれるところもあります。
通信制高校は、自学自習・自己管理・自己責任のもと勉強するのが基本です。学力に不安がある人は、公立に行きながら塾を利用したり、私立の通信制高校を選んだりした方が、卒業への道が近づくのではないでしょうか。
違い③ 登校・学習環境の自由度
公立
登校日は少ないものの、スクーリングや期末試験の日程が学校側で決められており、その決まった日に行かなければ単位が修得できないという場合が多いようです。
私立
インターネットを通じてレポート提出が可能だったり、スクーリングの登校日を調整できたりといったように、自由度が高い学校が多いようです。登校日も、週5回といった毎日登校型から、年に1度数日の合宿でスクーリングが完了するものなど、ライフスタイルによってさまざまな形を選べるようになっています。
体調や打ち込んでいる活動から、毎週決まった日に登校することが難しい人などは、ある程度自由度の高い私立の通信制高校を探してみると良いかもしれません。
違い④ 専門科目、総合学習
公立
見学旅行や文化祭・部活動といった、学生生活を楽しみ生徒同士が触れ合える行事が行われます。なお、このような行事に参加することで、スクーリングとしての単位としても認められるようになっています。
私立
公立同様の行事に加えて、普段のスクーリングでも専門的な科目や資格取得を目指すコースなどが用意されている学校も存在します。
例えば、就職を考えている人ならば簿記や秘書検定、マナー研修など。大学受験を目指す人ならば、受験勉強を教えてくれるコースなどがあります。
その他にも、美容や調理といったコースを取ると提携している専門学校にスムーズに入れる学校など、私立の学校はさまざまな特徴をもった学校が多いようです。
アルバイトやボランティアといった学校外活動をする人は公立。それ以外にも、興味がある専門分野の勉強をしてみたい、色々なことを学んでおきたい、という人は私立という選択肢が合っているのかもしれません。
違い⑤ 精神的サポート
公立
サポートが全くないわけではありませんが、カウンセラーなどが常駐している学校は少ないようです。
私立
カウンセラーを決まった曜日に設置するなど精神的なサポートを用意している学校も多いようです。
また、提携するサポート校などを利用することで、発達障害や学習障害による学力不足などにも、必要な指導をしてくれる学校が増えてきています。
不登校やいじめの経験から通信制高校に転校する方など、少しでも不安を失くしたい方は精神的なサポート体制もしっかりチェックしておきましょう。
まとめ
学費だけを見れば、公立の学校が一番の選択肢になりそうです。
しかし、一番大切なのは卒業し高校卒業資格を取ること。そして、その後の人生です。きちんと通うことができるのか、自分で勉強を進めていけるのか、興味のある専門科目や資格取得などにもチャレンジしてみたい気持ちがあるのかなど、色々な角度から通う学校を考えてみて下さい。
通信制高校に通う期間が少しでも充実した時間になるよう、しっかりと事前調査と比較をしておきましょう。
この記事を書いたのは
通信制高校ナビ編集部
「一人ひとりに最適な学校探し」をテーマに、さまざまな進路選択を考える生徒さん、親御さんに向けて、よりたくさんの選択肢を提供できるよう、通信制高校、サポート校に関連する情報を発信しています。