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高校留年確定…! 留年するメリット・デメリットは?他の選択肢はある?
小学校や中学校では留年はありませんが、義務教育課程ではない高校・大学になると、欠席が多かったり、テストの点数がとても低い、そもそも試験を受けられていないといった場合に「留年措置」が取られます。
これは、進級もしくは卒業できないことをいいます。
「高校の留年が確定してしまった……」という人向けに、留年した場合のその後の選択肢などを紹介します。
もしまだ留年が確定しないが、留年の可能性があるという人はこの記事もぜひご覧ください!
高校を留年する基準とは
高校で留年に繋がる原因は以下の3つが大きく関係しています。
- 単位
- 成績
- 出席日数
中でも重要なのが「単位」です。高校卒業資格を得るためには、必要な単位数が決まっています。そして全日制や定時制では、1年間ですべての単位を取得できなければ留年となってしまいます。
そして単位を取得するために必要なのが、「成績」と「出席日数」です。このどちらかが欠けても単位を取得することはできません。
「成績」は多くの人が想像する通り、主にテストでの結果で判断されます。しかし赤点を取ったとしても補講を受けたり再試験に合格すれば単位をもらえる学校は多くなっています。
そしてもう一つの基準が「出席日数」です。
単位取得のためには科目ごとに決められた時間授業を受ける必要があるため、出席日数が足りないと単位も取得できなくなってしまいます。
一般的には1科目につき3分の1以上休むと、留年の危険が出てきます。
留年回避は可能?救済措置とは
多くの学校では、いきなり留年が確定してしまうことは少なく、単位取得が難しくなる少し前から担任の先生から通知、面談などが行われることが多くなっています。
また、テストで赤点を取ったり欠席が多い場合でも学校側が用意している「救済措置」によって単位がもらえることがあります。
テストの成績については、追試を受けたり追加の課題を提出する。欠席が多い場合は長期休暇の再に補講を受けるなどが救済措置として挙げられます。
ただし、この救済措置にも対応できなかった場合は留年が確定してしまいます。
高校留年が決まったら…留年するメリットとは?
留年が確定した場合、同じ学校に留まるメリットには次のようなことがあります。
- 年代の垣根を越えた友人ができる
- 転校や中退の面倒な手続きが不要
- 元同級生から大学や就職に関する情報を得られる
- 精神的に強くなる
- 学校行事を3回以上楽しめる
通常は同学年の人としか関わり合いがありませんが、留年すると同級生以外の友人ができやすくなります。ただし、全日制高校で留年する人は珍しいうえに、元は先輩後輩であることから、打ち解けられるかどうかは環境や人柄にもよるでしょう。
最初は避けられる可能性もありますが、オープンマインドで挑めば次第に慣れ親しんでくれるかもしれません。こうした経験は留年ならではです。
また、同じ学校内に留まる留年の場合は、転校や中退に関わる手続きをする必要がありません。さらに元同級生が卒業した後、大学や就職などの情報を共有してもらえる点はメリットと言えるでしょう。そのほか、学び直しができたり、学校行事を人よりも多く楽しめたりするのも、留年したからできるものです。
高校で留年が決まったら…留年するデメリットとは?
留年にはメリットもある一方で、もちろんデメリットもあります。
- 同じ授業をもう一回受けなければいけない
- 学費が1年分余計にかかる
- 留年後のクラスで浮く可能性が高い
- 進級できるとはかぎらない
留年した場合、すでに受けたことのある授業をもう一度、受け直すことになります。わかっている内容の場合は、授業中に退屈することも考えられます。また当然ですが、1年分の授業料が発生するため、保護者にとっては負担が大きくなるでしょう。
留年において最大の心配とも言えるのが、留年後のクラスでの人間関係です。1年生の場合は、複数の出身中学校から進学しているため、クラスメイトが先輩かどうかわかりづらいでしょう。しかし、2・3年生の場合は、同じ学校で過ごしている時期があるため、先輩であることがバレやすく、はじめのうちは気を遣って話しかけられないといったこともあります。最悪の場合、孤立したまま卒業することも考えられます。
また、そもそも留年したからといって次の年に進学できるとも限りません。前年と同じことを繰り返してしまうと、再度留年になる可能性も多いにあります。
高校で留年が確定!留年しない選択肢とは?その後の進路まとめ
高校で留年が決まったけれど、留年してまで在籍することはしたくない。その場合には、次のような選択肢があります。
- 定時制高校へ転校する方法
- 通信制高校へ転入する、編入する方法
- 高校認定試験の合格を目指し、大学進学や専門学校進学を目指す方法
- 高校中退後、就職する方法
定時制高校へ転校する方法
多くの学校が昼から夕方、夜にかけて授業を行うので、朝起きるのがつらいなど、夜型生活に慣れてしまっている人は定時制高校への転校がおすすめです。
全日制高校と同じように毎日学校に登校するため、学生らしい生活を送れます。また、昼間は仕事をしている社会人や事情により高校を卒業できなかった高齢者などが通っていることもあるため、幅広い年代の人と知り合える可能性があり、自分の世界を広げるきっかけになるかもしれません。
通信制高校へ転入、編入する方法
精神的な疾患や体調不良などが原因で、毎日の通学がつらい・自信がないという人は、毎日の通学が必要ない通信制高校という選択肢も考えられます。送られてきた教材を利用した自宅学習を中心に、オンライン学習を行っている高校もあります。
通信制高校は全日制高校と違い、学年制ではなく単位制を採用。留年がなく、むしろ必要な単位の履修が終われば全日制に通うよりも早く卒業が決まることもあります。
高卒認定試験の合格を目指し、大学進学や専門学校進学を目指す方法
もう高校に通いたくないという人は、高校卒業程度認定試験(高卒認定試験)を受験して、進学を目指すという方法がおすすめです。高卒認定試験に合格すると高卒と同等の資格が得られるため、専門学校や大学受験が可能になります。また、高校卒業(見込み)が応募基準の企業への採用も考えられるでしょう。
ただし、高卒認定試験に合格した場合でも、最終学歴は「高卒」にはなりません。その後に専門学校や大学を卒業しなかった場合は、「中卒」が最終学歴として残ります。
高校中退後、就職する方法
先に説明したいずれの方法も選びたくない人は、高校を中退して就職するのも手です。ただしその場合、最終学歴が「中卒」になります。中卒が悪いわけではありませんが、就職するには不利に働くことが多いでしょう。
なぜなら一時期よりは学歴への偏見は減りましたが、それでもなお、就職においては学歴が重視される傾向にあるからです。そのため、同じ就活生のなかでも高校・大卒者と比べると書類選考で落とされることが多くなります。また高卒・大卒者に比べ、給料も低くなる可能性が高く、およそ就職に有利な条件であるとはいえません。
ちなみに定時制、通信制、高卒認定は働きながらでも卒業または合格を目指すことも可能です。就職先が決まった場合は、働きながら高校卒業もしくは高卒認定試験の合格を目指してみるのも良いでしょう。
高校を留年したとしても未来はある
高校の場合、留年する人はクラス単位で見ればとても少ないため、自分は落ちこぼれなのではないか、ダメな人間なのではないかと考えてしまうこともあるかもしれません。
しかし、留年に至ってしまうには、学校が合わなかった、入学してみたら自分の学力と差がありすぎた、ストレスから体調を崩してしまったなどいろいろな理由があります。
人間だれしも一生つまずきのない人生はありえません。
また、留年してそのまま学校に残り下の学年と一緒に勉強する以外にも、ここで紹介したようにたくさん選択肢があります。保護者の方や先生と相談してどうするか決めていくといいでしょう。
この記事を書いたのは
通信制高校ナビ編集部
「一人ひとりに最適な学校探し」をテーマに、さまざまな進路選択を考える生徒さん、親御さんに向けて、よりたくさんの選択肢を提供できるよう、通信制高校、サポート校に関連する情報を発信しています。